魔王は叱られる
俺たちは火炎の魔王を揺すり、起こした。
「ゴホッゴホッ..,あんた強かったんだね。」
「ああ。」
火炎の魔王は冷静になったのか、角と尻尾が消えている。
「あたしは負けたんだ。あんたの好きにしな!胸でも好きに触ればいいだろ。」
随分と潔い。俺は言われたことを実行する。
むにゅ
「わっ!なに本当に触ってんだよ!」
「ちょっと!ヴェセル様!!」
.....触ったらダメだったらしい。理不尽だ。
「もう嫁に行けないじゃないか....」
何かをゴニョゴニョと呟いている。
「火炎の魔王様!大丈夫ですか!」
「あ、ああ。さっきはごめんね。ちょっと苛立っちゃってさ。いつもはあんなのじゃないんだよ。」
「そうなんですか。どうして苛立ってたんですか。」
クラルテが聞く。
「いやあ、あたしはスライムが苦手でね…ダンジョンに入った瞬間、大量のスライムに襲われたんだよ。」
「ダンジョン?もしかしてデインジャのダンジョンですか?」
「ああ。そうだよ。」
ダンジョン都市デインジャから来たらしい。
「私たちは今からデインジャに行くんです!」
「そうなのかい。」
そう言って火炎の魔王は小さく、
「責任を取ってもらうから....」
と呟いて、言った。
「私も一緒に行くよ!」
「ええ!でも私たち旅をしているんですよ?!」
「なら旅も一緒に行くだけさ!」
どうやらついてきたいらしい。
「はい...わかりました!これからはよろしくお願いします!」
「ああ、こちらこそよろしく!名前はプロミネだよ!」
そうして、火炎の魔王プロミネはついてくることになった。




