魔王と固定
悲しい 没になったのが
話しかけてきた青年は一見すると、中肉中背普通の見た目だ。
しかし雰囲気が違う。
長い時の中でじっくり洗練されたようなそんな力。
「君たちは、魔王二人に...普通の少女...いや....ちょっと違う?」
こちらに話しかけてきたが、急に黙ってしまった。
「固定の勇者、久しぶり。あたしのこと覚えてるかい?」
プロミネが問いかけた。
「うん?ああ、君は火炎の魔王だったね、覚えているよ。そっちの二人は?」
どうやらプロミネと知り合いだったらしい。
「ああ、こっちの男の方がヴェセル、魔王だ。それでこっちの少女がクラルテっていうんだ。なかなか面白そうな面子だろ?」
「うん、そうだね。僕は今からちょっと外に行くんだ。君たちは中に行くのかい?」
「ああ、そうだよ。こっちの二人は初めでだからね。あたしが牽引してやってるんだよ。それよりも山の維持は大丈夫なのかい?」
「ああ、そこは問題ないよ。僕がいなくともひと月は保つからね。」
「そうなんだね。山が崩落したら一大事だからね。そこは安心したよ。じゃあ気をつけて行きな。」
「ああ、わかった。用事が終わり次第戻ってくるさ。神託の通りならね。」
どうやら「固定」の勇者だったらしい。
その勇者はガテツの外に向かって去って行った。
俺はプロミネに聞く。
「今のは?」
「ああ、今の圧倒的な力を感じるやつだね?あいつは固定の勇者、この山を維持している、すごいやつだよ。あいつがいないと山をくり抜いてできたガテツは壊れちまうのさ。あいつが山を「固定」しているからね。」
「ふむ。」
俺たちはそうしてガテツに入る。




