魔王は予約する
気まぐれです
俺たちは港町ウンアに着いた。
「着きましたねー、ヴェセル様!」
「ああ。」
「まずは船の予約をしましょう。」
俺たちは船の予約受け付け場に来た。
「すみませーん!船の予約がしたいんですけどー、誰かいますか?」
受け付けには誰もいなかったので、クラルテが中に呼びかける。
するとガラガラと音をたてて戸が開き、中から壮年の男性が出てきた。
「なんだい、船の予約かい?」
「はい!そうなんです!大陸を渡りたいのですが、どの船に乗ればいいですか?」
「大陸を渡るとなると一週間後のユウサ行きの船だね。」
「一週間後ですね。」
俺たちは一週間後に来る港町ユウサに行く船に乗るらしい。
「それじゃあ代金が食事つきなら大銀貨二枚だね」
「はい。では食事つきでお願いします!」
クラルテはそう言うと大銀貨を二枚渡す。それと引き換えに紙を受け取った。
「この紙を一週間後に来る船に渡しな。なくすんじゃないぞ。なくしたら乗れないからな。」
「はい。わかりました。大事に持ってます!」
そう言い残し、男性は戸の奥に消えた。
「ヴェセル様!一週間暇になりましたね!ここは港町ですので海産物が豊富で大陸側の食べ物も多くあるらしいですよ。」
「そうか。」
「ご飯の前に宿だけでも一週間分取っておきますか?」
「ああ。」
「そうですね。宿が満員になる前に部屋を取っておきますか!」
クラルテはそう言い、俺の手を引く。
俺たちは宿屋の戸を開けた。




