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オレンジの陽の中で




辛く悲しい思い出が

国は 変わりましたが

再び


一瞬の閃光として

この平和な日本に 灯をともさないよう

心から願っています



昭和の時代の 2発の原子爆弾により

広島 長崎 と 投下され

現在は 汚染も減り 緑のある大地へと

変わっていきました



大学病院にて 医師として

他の医師と 手を取り

医学の時代を築き



あの一瞬の閃光により

全てを 失いました。



そして 私は 患者様が 来られる前

着ていた服から

白衣へと着替え

ゲートルを巻き

ヘルメットを 被る 瞬間













あの 一瞬の閃光と


感じたことのない 波動が 身を包み


建物諸共 破壊していったのです。




私は、崩れた瓦礫の中

何とか 意識を取り戻し

身体に 様々な物が 刺さっていることも忘れ


歩き出し 他の 生きて居られた方々に

抱えられ 気を失いかけながらも

何とか 歩き


担架に 乗せられ

遠い地で 治療を 受けました


同じ症状が出始め 眉や 頭髪が抜けましたが

治療や 意外なほど多かった輸血もあり

急死に一生を 得ました


そして その惨状の為 倒壊した建物の

復興を願い 当時 進駐軍として 来ていた

米国の方に 渡してもらおうと願い出ました


そして 時代も 更に進む

高度経済成長の時代の前



私は 医師として 他の医師の先生達と

海外の医学の発展と 私の趣味である

絵画の見学に 出掛けました



寂しそうな妻と娘の顔を 見て

辛く 涙が出そうでしたが

仕事で 行くのだと 割り切って

2人とは 別れ 飛行機に乗りました



貴女は 私が 見えなくなるまで

手を振ってくれていましたね


私は もうこれで 帰ることは無いのかも

知れないという 不安の中

更なる医学への想いを胸に

海外各地へ 旅行へ 行き

その土地 その土地で 絵を描きました


ルクセンブルク では 絵を描くために

椅子に 腰掛けて 気付けば 寝てしまっていました


金髪の女性に 揺り起こされ

ハッと 目が覚めましたら

首からぶら下げた 札を見ると

どうやら 座る為には

20フラン 出しなさいと フランス語にて

書かれていたことを 今でも思い出します


水鳥の 泳ぎを眺めながら

鳥のさえずりを 聞き

画具を 片付け その場を 後にしました。


そして 時代も 平成に変わり

私たちの暮らしも 安定した中




私の オレンジの陽は 消えてしまいました。




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