伊織の武勇伝!?
今回は伊織が局長に自己紹介するとこですが、ひょんな事から局長と勝負することに…!?
時は大江戸、日が沈む頃。
「伊織。」
「は、はい!?」
土方歳三に呼び止められて、伊織は振り返る。
「局長室に今から行くぞ。」
そう言って、スタスタと歩いて行く。
「あ…まっ…!」
そのあとを伊織は追った。
「ここだ。」
「ありがとうございます」
ここまで連れてきてくれた土方にお礼を言った。
「…」
土方は何か言いたげな表情だったが伊織はそれに気づかない。
「失礼します。」
襖を開き、一礼して、中に入る。
中に入ると書物がどっさりと置いてある。
「伊織、と言ったか。」
「はい。」
「お主、どこから来た。」
「えっ…と…」
どうしよう…。タイムスリップしたとは…。
「失礼します。」
伊織が悩んでいると襖が開き、つい先ほど聞いた声が耳に入る。
ぱっと後ろを向くと土方歳三が入って来た。
「局長。この娘を拾って来たのは私です。私もこの場に居てもよろしいでしょうか?」
「うむ…。よかろう。」
ぱっと歳三の方を向くと、
(何かあった時のためにな)
という心情をしている事が伝わってくる。
「それで、どこの出だ?」
局長が話を元に戻す。
「えっと…私はこの時代の者ではないのです。」
あぁー、言っちゃったぁぁ!!
「は?」
土方、そして局長の声が重なる。
「あぁ、えっと…すいません。変な事言って…!えっと…私は、気づいたらここに居たんです。だからここがどこかもわかりません。ですが、武道は出来ます。」
「武道ができる…?女子が…?」
「はい。少しですが…。」
「何ができるのだ?」
「空手を小さい頃に…。」
「空手!?お主の親は…女子に…」
「あ、父の方からは、弓道と空手などの武道を、母からは、日本舞踊や百人一首などを学びました。」
「ほう。」
局長も土方も口をあんぐりと開けて固まってる。
(え?なんで口開けて固まってるの?変な事言ったかな??)
すると、
「伊織!」
「!?はい!?」
「わしと百人一首勝負じゃ!」
「!?!?」
これには伊織も歳三も驚いた。
「土方!」
「はっ!」
「お主は読手をしてくれ!」
「は!」
「伊織!」
「は、はい!」
「お主の実力、とくと味あわせていただくぞ。」
「は、はい!」
(えぇー!!!どうすんのー!!!!局長かるたするの!?でも…こうなれば、A級の実力存分に発揮してやろう。)
さあ、どちらが勝つのか!