第十一話 【剣に込める心】
第十一話
ヤナギ「……はい、すいません。今、歓迎会の準備の最中でして。ご心配には及びません! 任務は必ず、成功させてみせますので! ハ? 北郷一刀様ですか? 今は、その……少々休憩中でして……。いえ! 襲撃された訳ではなくてですね……。その、祖父の北郷耕作様と、剣の鍛練をしていまして……」
一刀「…………ゼェ…………ゼェ」
亞莎「一刀様! お水をお持ちしました!!」
一刀「ああ……。ありがとう、亞莎……」
小蓮「だいじょーぶ、一刀?」
一刀「……うん、怪我をしたワケじゃないし……ただバテただけだよ、大丈夫」
詠「まったく……。普段鍛練を怠けてるから、すぐに疲れるのよ!!」
一刀「…………面目ないです」
月「詠ちゃん、そんなこと言っちゃダメだよ………」
一刀「いや、いいよ。詠の言ってることは事実なんだし……」
明命「でも、一刀様の御爺様は凄いですっ! 御高齢でありながら、その太刀筋はかなりの物ですっ!!」
一刀「道場を経営しているからね……。おまけに自分にも、他人にも厳しいから、そこら辺は妥協しないんだよ」
斗詩「今も、焔耶さんと鍛練していますから、腕も立つんですね……」
一刀「てか、爺ちゃん元気だな……」
華佗「…………一刀!!」
一刀「アレ、華佗じゃないか。どうした?」
華佗「さっき診た女の子が気になってな、こちらから確認に来た。どうやら、お前の家族は全員こっちに来たようだな?」
一刀「ああ、お陰様で…………」
華佗「良かったな……。ところで、今お前かなり疲れてるようだが、先に診てやろうか?」
一刀「いや、俺は大丈夫だ。俺よりも、妹の佳乃を診てやってくれ。あいつは今、中庭にいるよ。俺の爺ちゃんの鍛練を見ながら、身体を休めているはずだ」
華佗「分かった……。行ってくるよ!」
一刀「フゥ……。ありがとな、皆。もう大丈夫だ」
月「良かったです……」
一刀「じゃ、準備に加勢しようか」
亞莎「ハイッ! 頑張りましょう!!」
一刀「しかし、爺ちゃんは相変わらずだな……」
斗詩「何がですか?」
一刀「爺ちゃんはね、嬉しい気持ちをうまく表現出来ないんだ。だから、表情じゃなく、行動や仕草に表れるんだ。さっきの鍛練さ、爺ちゃん少し力入ってなかったか?」
明命「言われてみれば、そんな感じがしました……」
一刀「あの時は焔耶だけじゃなく、春蘭や秋蘭たちも様子を見てたからさ、多分気合いが入ったんだと思う。爺ちゃんは三国志が大好きだから、皆に会えて嬉しかったんだよ」
小蓮「もう、一刀も相変わらず鈍いんだから……」
一刀「えっ?」
小蓮「確かに、お爺様は嬉しかったんだろうけど。それは一刀に会えたのが、一番嬉しかったんだよ!!」
一刀「…………そうかな?」
小蓮「そうだよ!! シャオの言うことが信じられないの!?」
一刀「……イヤ、信じるよ。ありがとう、シャオ」
小蓮「シャオは一刀のお嫁さんなんだから、一刀の家族の事もちゃんと分かってるんだよ!」
一刀「フフフッ。敵わないな、シャオには…………」
月「やっぱり……ご主人様の御爺様だね。少し似ている……」
詠「そう? まあ、変わっている所があるのは、似ているかもしれないけど」
月「御爺様が、少し素直じゃないのは……。詠ちゃんに似ているかも♪」
詠「ちょっ!! 月!?」
月「ウフフッ……」
-続く-




