第九話 【男女関係云々】
第九話
-大広間-
翠「ここに置けばいいのか?」
朱里「はい、それなら見映えはバッチリです!」
雛里「……これもお願いします」
蒲公英「ハイハーイ、任せといて!」
冥琳「……雪蓮はどこにいる?」
穏「まだお酒を呑んでいるハズですよ~? 祭さまも一緒です~」
冥琳「…………行ってくる」
思春「…………何の為にです?」
冥琳「少し、灸を据えにな」
桂花「無駄だと思うけど?」
冥琳「分かっているさ」
宝譿「難儀な性格だな~」
風「まあ、いつもの事ですからね~」
燎一「…………しかし、凄い才能ですね」
凪「何がです?」
燎一「これだけの大きさの円卓と、全員分の椅子を短時間で作り上げるだなんて…………」
真桜「別に大したことあらへんで?」
沙和「真桜ちゃんにかかれば、どうってこと無いのー」
燎一「そう、なんですか?」
稟「天の国でも、素早く物を造る技術があると聞いていますが?」
燎一「確かにありますが、そのほとんどは人力ではありません。なので、私の目の前で展開された光景に、少しばかり感銘を受けまして……」
真桜「いや~、そこまで言われると、何やこそばゆいわ~」
風「お父さん。話の途中すいませんが、これも置いてもらえませんか?」
燎一「あ……。はい、分かりました…………。フゥ…………」
稟「…………先程から顔色が悪いみたいですが?」
燎一「ああ、いえ。未だにこの状況を理解するのに、戸惑っていまして…………。ハァ…………」
凪「…………少し休まれては如何ですか?」
燎一「ああ、いえ…………。大丈夫です、すいません…………。あ、あの…………」
穏「なんですか~?」
燎一「皆さんは…………。その…………、大丈夫なんですか?」
朱里「…………何がですか?」
燎一「皆さん…………。一刀と、その…………関係を、持ったそうで…………」
一同「あっ………………」
燎一「いや、あの…………。今する話ではないのは、重々承知しているのですが、どうしても気になりまして…………。その……申し訳ございません…………!!」
翠「ちょっ!? あ、頭を上げてくれよ!!」
蒲公英「そ、そうそう! 大丈夫だからっ!!」
燎一「息子が皆様のお身体を傷物にしたなんて、親としてどうお詫びしても償い切れません!!」
雛里「あ、あの。お、お気になさらずに…………」
燎一「無責任な行動は慎むよう教えていたのですが…………。まさか、このような事になるとは…………」
沙和「さ、沙和もみんなも、大丈夫だから……」
思春「どうか頭をお上げ下さい……」
穏「…………あら~?」
思春「あなたの御子息。北郷一刀は、無責任な男ではありません」
燎一「し、しかし…………」
思春「考えてみて下さい。御子息が無責任な男であれば、このように周囲に人が集うと思いますか?」
燎一「それは…………」
思春「そして。男からぞんざいな扱いを受けた人間が、その父親をこれほどまでに思い遣るものでしょうか?」
燎一「………………」
思春「どうか、御子息を信じて下さいませんか。我々は全員、北郷一刀を信じています。だからこそ、皆は誰一人欠けることなく、この場に居るのです」
燎一「…………思春さん」
思春「さあ、作業を続けましょう。大分後れをとってしまいましたから……」
燎一「…………はい。皆さん、すいませんでした。そして、ありがとうございます!!」
穏「…………珍しいですね~、一刀さんを庇うなんて?」
思春「作業が遅れれば、蓮華様の料理が冷めてしまう。それを回避しただけだ」
穏「フフフフ…………。では、そういう事にしておきましょうか~♪」
思春「…………フンッ!」
風「………………」
桂花「………………何よ?」
風「あの場面で貴女が終始黙っていましたのが、すごく不思議でしてね~」
桂花「あの真面目な人間から、あんな最低男がどうすれば産まれたのか考えていただけよ!」
稟「素直じゃありませんね…………」
桂花「何か言った!?」
稟「いいえ、何も」
-続く-




