表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/23

08:『因みにこの話が投稿された日は、投票日でした』

 どうも、石上直也です。

 今日は投票日ですね。

 皆さんは誰に投票しましたか?

 いやぁ、僕も将来は政治家になって『友里党』とか結成しようかなぁ。

 その時は是非とも清き一票を!

 実妹と結婚できるように法律とか改正するんで!

 ……え、投票できない?

 うそーん。


 さてさて、なぜ僕がこんなにテンションが高いかと言うと、


「あ、鳴海。なんか面白い本とかある?」


「………石上くん?」


 なんと現在昼休みの図書室にて、兄貴と、図書委員で文学少女の『鳴海 李音』さんが遭遇したのを発見したのです。

 ついにやってきた実況チャーンス!!

 これを逃す奴はモグリだね、うん!


 では、早速始めていきたいと思います。

 ええと、鳴海さんは兄貴と同じ高校三年生、その物静かな雰囲気と大人びた外見は我が校の男子から絶大な支持を得ています。

 ですが、少々人見知りで無口です。

 鳴海さんと兄貴はそれぞれ我が校では有名人なので、どうやら両者は互いの名前は知ってる様子。

 ただ……兄貴、初対面の女子に対して少々馴れ馴れしいね、うん。

 まあ主人公だから仕方ないか!


「それでさ、なんか久々に本とか読みたくなったんだけど、ほら…ここの図書室無駄に広いだろ? 何かオススメの本とかないか?」


「………これ」


 そう言って、鳴海さんは手元に置いてあった本を渡した。


「お、ありがとう。どういう物語?」


「………推理もの」


「え、俺…推理とか苦手なんだけど……」


「………私も。でも、推理するのはあくまでもこの本の主人公だから…気楽に読んで……」


「…うん、分かった。ありがとうな、鳴海!」


「………どういたしまして」


 兄貴は鳴海さんから受け取った本を持ちながら、笑顔で去って行った。

 それを少し笑顔で見送る鳴海さん。

 ただ、気になる事が一つ。

 彼女が兄貴に渡した本には、我が校の図書室のマークが無かった。

 つまり、あの本は鳴海さんの私物というわけですか。

 鳴海さん、健気ですねぇ。

 おおっと、僕はこの本を借りに来たんだった。


「すいませぇん、この本借りたいんですけど」


「………また妹小説?」


「いやぁ、このシリーズにハマっちゃいまして」


「………生徒手帳を拝借」


「はい、どうぞ」


「………石上?」


 あ、やっぱ気づいちゃう?

 でもごめんなさい。スルーしちゃいます。

 僕はな〜ん〜に〜も〜、聞こえなかったぁ♪


「………一週間以内の返却を」


「了解です」


 ふんふんふんっ♪

 ああ、早く帰って妹小説第九巻読もうっと!!



「………変な人」



◇◇◇◇◇



―ピンポンパンポーン―


《3年4組石上直樹くん、一度しか言わないからよーく聞いておきなさい。生徒会長の私が呼んでるんだから生徒会室に顔を出しなさい。以上》


―ピンポンパンポーン―



 帰り支度を整えて、さあ早く帰って妹小説を読もうと意気込んでいた時に今の放送……。

 実況するっきゃないじゃないですか!!

 ということで生徒会室にレッツゴー!



「何の用ですか、佐渡会長?」


「随分と他人行儀ね。長い付き合いなんだし、そろそろ名前で呼んでくれてもいいんじゃないかしら?」


 ふぅ…なんとか間に合った。

 どうやら二人の会話はまだ始まったばかり。

 さてさて、一体どんな事になることやら。


「じゃあ、美姫。俺に何の用だ?」


 名前で呼べと言われたら即座に名前呼びする兄貴スゲェ……


「ねぇ、そろそろ…以前の返事を聞かせてくれないかしら?」


「駄目に決まってんだろ」


 ん?

 以前の返事?

 僕の知らない情報…だと?!


「第一、直也も嫌に決まってる」


 え、僕関連?


「はたしてそうかしらぁ?」


「そうに決まってるだろ」


 え、なんなの?

 一体僕、どうなっちゃうの?

 そして僕は驚愕することになる。

 兄貴の次の台詞に。


「誰が好き好んでお前の下僕になるかよ」


 下僕?!

 え、僕……下僕?!

 我が校の生徒会長様は僕を下僕にご所望ってこと?!

 冗談じゃない! そんなの願い下――……ハアハア…

 ってうおい! いかんいかん!!

 ついうっかりなんかハアハアしちゃったよ!

 生徒会長様の下僕なんて嫌じゃあ! 僕は友里ちゃんの永遠の下僕なんだ!!

 あ、やべ……鼻血が…


「……ふぅ、分かったわ。今日のところは諦める」


「もう一生諦めてくれ。俺の弟は、誰にも(下僕として)渡さないから」


 どきゅんっ!

 あ、兄貴……。

 誰にも渡さないって…ちょ……


 だーれが惚れるかっての!!

 でも危なかった!! マジで危なかった!!

 やべえ、やべえよ兄貴!

 友里ちゃんバリア出さなかったら堕ちてたよ、うん!

 流石主人公!!


「じゃあな、美姫」


 そう言って、兄貴は生徒会室を去ろうとする。

 やばい、隠れるぞ!

 慌てて近くのロッカーの中に入る。

 兄貴が目の前を通ったのを確認。

 危なかった……


――ガチャ


 え?


 ロッカーが、勝手に開いた。

 いや、勝手に開けられたという方が適切か。

 ロッカーを開けたのは、ニンマリ顔の生徒会長様『佐渡 美姫』さんでした。

 やべえ……。


「こんなところでかくれんぼかしら、石上直也くん?」


「ども〜、生徒会長様…」


 見つかっちまったぁ………

 まだ共通ルートなのに…


 あと、帰って早く妹小説読みたい……

【鳴海 李音】

性別 :女

誕生日:7月30日

趣味 :読書

【備考】

 我が校一の文学少女。

 図書委員として図書室にいることが非常に多い。

 部活は文芸部に所属、ただ読む事専門なので自分では一切書かないらしい。

 口数が少なく、人見知りのため、周りからは物静かでクールなキャラとして見られがちだが、実際はシャイな小心者。

 そのギャップが人気の理由だろう。



【佐渡 美姫】

性別 :女

誕生日:1月1日

趣味 :遊ぶ

【備考】

 我が校の生徒会長様。

 天上天下唯我独尊とは、彼女のためにある言葉。

 自分以外の他人を自分の玩具として遊ぶ傾向あり。

 しかし優れたカリスマ性から生徒・教師・保護者からの信頼は厚い。

 ただ、僕は苦手です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ