03:『学校でもあまり良い扱いはされません』
やあやあ、ここで会ったが三話目。
石上直也です。
現在、僕は三年生の校舎に来ています。
うちの学校は学年ごとに校舎が分かれておりまして、二年の校舎からかなり遠いです。
こりゃあ、HRは遅刻かな。
え? なんで二年の僕が三年生の校舎にいるかって?
ちっちっちっ、忘れてもらっては困りますよ。
僕は語り部兼ナレーション。つまり、主人公である兄貴の朝の日常を読者の方々にお伝えする役目があるのですよ、うん!!
さーて、見つからないようにそーっと教室の中を覗きこみますよ。
あ。兄貴の前で二人の美少女が言い争いをしてる……。
「浜崎さん、ちょーっと直樹くんと顔が近いんじゃないかしら?」
「あーら、鈴原さん。私と直樹は幼馴染みなんですよ? この距離感は普通ですよ、ふ・つ・う!!」
なんと、言い争いをしているのは兄貴のクラスの学級委員長『鈴原 香奈』さんと理恵さんだ。
鈴原さんは高校三年で僕の先輩にであるが、身長が140cmと、かなりの幼児体型で尚且つ童顔、傍から見れば小学生がこの高校の制服を着てるようなもの。因みに、知り合いの情報屋から買った情報によれば、彼女の制服は特注品で、あまりの小ささに業者の方々が「これ、間違いじゃね?!」と言って騒いでいたらしい。
さて、そんな事は置いといて、ナレーションに戻りましょう。
頬を膨らまして悔しそうに睨んでいる鈴原さんを、理恵さんは勝者の笑みを返している。……黒い。
その笑みに更に怒りを感じたのか、鈴原さんのツインテールがピョコピョコ動いている。……どういう仕組みなんだろう?
「はーっ。早くHR始まんないかなぁ」
こらこら、兄貴。なに空を見上げて現実逃避してんですかっ。
貴方のハーレム要員ですよ。兄貴がなんとかして下さいよ。
ほら、周りを見てみて下さい。皆、あまりの禍々しい空気に若干引いてますよ?
そんな中、ついに鈴原さんが吠えた。
「と・に・か・くっ! 幼馴染みだからといって良い年した男女が至近距離で会話するものじゃないのよ! 不純異性交遊、きんちっ!!」
ブッ。
……相変わらず良いキャラしてますね。……ですが、少々自滅してませんか?
そんな発言したら、鈴原さんだって兄貴とイチャラブできないでしょうに。
―キン・コン・カーン・コーン―
おや、もうタイムリミットですか。
だが甘いわぁ! HRがなんぼのもんじゃい!!
そんな三十路間際のババアの戯れ言なんざ、僕ぁ聞きたくねえんだよ!!
そんなのより、この瞬間の実況の方が何倍も価値あるし有意義だわ!
朝の実況、いつやる? HR後? また明日?
今でしょ!!
「ほら、早くしないとHR始まるわよ」
「ぐえぇ?!」
突如、襟首を誰かに引っ張られた。
一瞬、昇天しかけたんだけど!!
背後を睨んでみれば、そこにはメガネをかけた女子『桜坂 瑛』がいた。
あ、彼女は僕のクラスの学級委員長です。
「だが残念! 僕が今見たい学級委員長は君じゃないんだ!!」
鈴原さんと兄貴の絡みを僕は見たいのさ!!
「いいから、早く行くわよ」
「放せぇ! 僕は実況しなきゃいけないんだい!!」
「貴方の回収をしなきゃ、私も怒られるのよ、学級委員長として」
「僕とは関係ないやい!」
「はあ……」
瑛さんは溜め息を吐いた後、僕の耳元でボソリと呟いた。
あんっ、息が耳にぃ。
「あんま我が儘言うと、去勢するぞゴラァ」
オゥ……コワーイ
「分かりました、教室に戻りましょう」
「よろしい」
仕方なく、彼女と共に教室に戻ります。
ですが、まだ…まだ昼休みがあります!
昼休みにご期待ください!!
男の魂の延命、頑張ります!!!
【鈴原 香奈】
性別 :女
誕生日:9月16日
趣味 :お絵描き
【備考】
兄貴のクラスの学級委員長。背小さい、胸小さい、肝小さいの三冠王だ。
お子ちゃま口調と初な感じが一部生徒に人気の先輩。
まあ、僕は友里一筋なんですがねwww
あと、趣味はお絵描きらしく、実は美術部に所属しているとのこと。
腕前は意外と上手いとか。……想像できん。
面白い先輩だ、うん。
【桜坂 瑛】
性別 :女
誕生日:12月24日
趣味 :もぐ(特に何をとは記さない)
【備考】
天敵!!
こいつ天敵!!
いっつも校内での俺の実況邪魔するもん!
我が儘言うと去勢するとか言うし!!
俺の心の中のエンジェルの友里を見習ってほしいもんだ!!
し・か・も、瑛さんの誕生日が12月24日とか似合わねぇwww
クリスマスイブとかワロスwww
あーはっはっは―――
↑これ以降、血痕の後あり