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02:『ヒエラルキーだと最下層に位置してます』

「いただきまーす」


 どうも、お久しぶりです。

 語り部もしくはナレーションの石上直也です。

 只今、朝ごはんを咀嚼中でございます。

 ああ、白米うめぇ……。


「直也、食べるのおっそーい!!」


 我が愛しの妹、友里が頬を膨らまして僕を睨んできます。

 そんなに睨まれたら………惚れてまうやろ!


「直也。まだか〜?」


 なんと、兄貴にまで催促されてしまった。

 むぅ……我ながら良い出来だった観察ノートを熟読してしまった結果、ここまでタイムロスしてしまうとは……。仕方ない。


「友里、兄貴。待っててもらうのも悪いし、先に行ってていいですよ」


「フンッ、言われなくても先に行くつもりだったし! ほら、お兄ちゃん、行こ?」


「……直也、いいのか?」


 兄貴に抱きつく友里、僕の事を気にする兄貴。

 やっぱ、兄貴は優しいよなぁ……

 それと友里ちゃん、僕にも一回でいいから、抱きついてきてくれないかい?


「うん、いいよ兄貴。ほら、早くしないと遅刻しちゃうよ?」


「その台詞、そっくりそのままお前に返すんだが……」


「あっ、そういえばそうだね。でもまあ、先に行ってていいです。すぐ追いつきますから」


「そうか? じゃあお言葉に甘えるけど…ちゃんと食えよ」


「了解」


 そう言った後、兄貴達は家を出て学校に向かった。

 因みに、僕たち兄妹三人は、全員同じ公立高校に通っています。


 さて、自慢じゃないけど、僕は食べるのが遅い。

 なんてったって、少食派だし。

 だが、主人公である兄貴の朝の通学風景を実況するという使命がある以上、早く食わなきゃいけない。

 あんまりゆっくりしてると、遅刻しちゃうしね。


「仕方ない……」


 今こそ、あの必殺技を使う時!!


「全てを味噌汁で流すか……」






―――――――――――――――――――――――――――――………………



 どうも、皆さん、こんにちは。石上直也です。

 あれから三秒で朝ごはんを平らげた僕は、只今電柱の影に隠れております。

 なぜか?

 スパイごっこがしたい気分だったからです。

 ………まあそれは置いといて、僕の視線の先にいるのは兄貴と友里だ。


「――でね、お兄ちゃん。隣のクラスの子がホントに可笑しくてね」


「ふーん」


 笑顔で学校での出来事を話す友里と軽くスルーする兄貴。

 友里ちゃん、兄貴に見せる笑顔の一割でいいんだ。

 僕にも笑いかけてください。お願いします。


「おーい!」


 すると、十字路の曲がり角からこれまた美少女が飛び出してきた。

 むむっ、あれは僕達石上兄妹の幼馴染み『浜崎 理恵』さんではあーりませんか。

 いやぁ毎度の事ながら、ぷるるんとお胸が弾けちゃってますねぇ。

 まあ、僕は貧乳好きなんですがね!!


「おはよう、理恵」


 兄貴は理恵さんに対して、目を細めて笑顔で挨拶した。

 朝日のせいか、輝いて見える。

 流石主人公! 補正が半端無いです!!


「あっ……その///………………おはよう…」


 おぉ、赤面してモジモジしてますよ、理恵さん。

 それにしても、兄貴が他人に笑顔で挨拶するなんて珍S―――


(あぁ、朝日眩しい……。とてもじゃないが、目開けられないなぁ)


 ―――っていう顔してるよ!

 目を細めたんじゃなくて眩しくて瞑っただけかよ! 紛らわしいな、おい!!


「「あぁ……かっこいい///」」


 兄貴の笑顔(?)で骨抜きになっている二人。

 なるほど、これが俗に言う“ニコポッ”ですか……。なんて恐ろしいんだ!!


「ん?」


 ふと、兄貴と目が合っちゃった。

 ……いかん、ツッコミに熱が入りすぎてしまった!


「なに隠れてるんだ、直也?」


「……あ、あのですね…ちょっーと、スパイごっこがしたいなぁ……なんて、アハハ……」


「「「…………」」」


 あっ、皆が僕に冷たい視線をっ!

 いやぁぁぁ! 友里ちゃん、そんな目で僕を見ないで!!


「お兄ちゃん。変態直也なんか置いてさっさと行こ」


「友里ちゃんの言う通りよ、直樹。直也の傍にいたら馬鹿がうつるわ」


 あぁ、美少女二人にめっちゃ引かれてる!!


「いや、でも……直也だけ置いて行くのは可哀想だし……」


 兄貴! なんてあんたは優しいんだ!! 流石主人公!!


「お兄ちゃんがそう言うなら……」


「フフッ、やっぱり直樹は優しいのね」


 そう言って、兄貴の両サイドをがっちりとホールドしている二人は、兄貴に笑いかけながら歩き出した。

 早歩きでね。


「えっ、ちょ、待って!!」


 慌てて追いかける僕。

 すると、友里は僕に対して笑顔で振り返ってくれた。

 おぉ! ついに我が想いに応えてくれたとですかっ!?


「私達の五歩後ろをキープしてね、変態」


 笑顔と罵倒の言葉ありがとうございます! ごちそうさまです!!


 生まれて初めて友里に笑顔を向けてもらった僕は、その日の朝はとてもハイテンションだったのです。


 べ、別にドMなわけじゃないんだからねっ!

 …………あっ、キモいですかそうですか……………………………ハァハァ……

【浜崎 理恵】

性別 :女

誕生日:5月8日

趣味 :料理

【備考】

 僕達石上兄妹とは幼馴染みの関係で、僕より一歳年上、つまり兄貴と同い年。

 付き合い自体は幼稚園の時からで小・中・高同じです。

 本編では細かい描写はありませんでしたが、髪型はサイドテールです。胸はDカップでまだまだ成長しているとの事。まあ、興味ありませんがね。

 料理が得意で、兄貴の分も作ってきます。友里とは割りと仲良しみたいです。

 いつか友里の手作り弁当を食べる日を夢見ております。

 まあ、そんな日はきっと来ませんがね、きっと。

 さて、今回は新キャラが理恵さん一人しか出てきてないので、もう少し説明を付け足しましょう。

 理恵さんが兄貴に惚れたのは小三の頃、その当時から並外れたバストをお持ちだった理恵さんは、クラスの悪ガキ共から「ウシ」呼ばわりされて苛められていたところ、なんと兄貴が悪ガキ共をフルボッコにしたんですね。あとはもうドミノ倒しのように理恵さんは兄貴にハマっていきましたとさ。

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