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01:『どうも、石上直也です』

 初めまして、『石上 直也』って言います。


 この作品の語り部をさせていただいています。

 まあ、所謂ナレーションですね。

 さて、まずは僕の事ですが。

 ……まあ、至って普通の男子高校生ですよ?

 あ、こういう言い方をすると、「どうせ隠れチートだろ?」とか言われちゃいますね。すみません。

 正確に言えば、脇役です。NPCです。

 体型は細型、顔は凡人、メガネ付き、野暮ったいオカッパスタイルな髪型。

 ほら、普通の男子高校生でしょう?

 ……え? 今時の男子高校生はオカッパヘアーではない、と?

 そ、そんな馬鹿な……。

 い、いや、すいません。かなり衝撃だったものですから。

 えぇ、はい。その辺は追々なんとかします。今時の男子高校生の髪型にしてみせます、いつか。

 さて、




「お兄ちゃん、起きて……」


「まだ眠いんだよ……」


「もう、またそんな事言って! ほ、ら! ママがせっかく作ってくれた朝ごはんが冷めちゃうでしょ!?」


「こら、布団を引っ張るな……。冷めたらレンジで温めればいいだろ……」


「朝ごはんは全部出来立てが美味しいものなの!」


「あーもう五月蝿いなぁ……。分かったよ、起きればいいんだろ、起きれば」


「よろしい!」


「ほら、着替えるから部屋から出てけ」


「……手伝ってあげようか?」


「高三になって、高一の妹に着替えを手伝わせる奴は居ないだろうが。さっさと出てけ」


「ぶぅ〜!」




 という会話が、隣の部屋から聞こえてきた今日の朝。

 いいなぁ、兄貴は。友里に起こしてもらえて。

 あ、友里って言うのは僕の妹で、隣の部屋で兄貴を起こしてた娘。

 綺麗な黒髪がポニーテールに結ばれててしかもかなりの美少女。ただ、お胸が発展途上なのが最近の密かな悩みらしいです。

 本人の独り言から情報を得ました。


 僕は自身の部屋の扉を少し開けて顔を出し、隣の部屋から追い出された友里に満面の笑みで言いました。


「友里。僕の事も起こしてくれないかい?」


「は? 直也はもう起きてんじゃん。ふざけた事言ってないで早く朝ごはん食べなよ」


「………はい」


 そんな……無表情で言わなくても……。

 あと、頼むから…一度でいいから……僕の事も「お兄ちゃん」って呼んで下さい。一度でいいんです。


「ったく、朝から直也の顔なんか見ちゃったよ。あーぁ、後で目薬注さなきゃ」


 泣いてもいいですか?


 とまぁ、我が愛しの友里ちゃんは、何故か僕にだけ毒舌です。

 昔はかなり凹んでいた時期もありましたが、今では結構スルーできます。

 きっと、僕にだけ心を開いてくれてる証拠なんだと……自分に言い聞かせてきたおかげです。

 前向きなところが、僕の長所です。


「どうした、直也?」


「……兄貴、おはよう」


「うん、おはよう。………で、なんで目を押さえているんだ?」


 目が潰れるのを防ぐためですよ。

 僕の兄貴――名前は『直樹』というんですが、本人は全く無自覚の超絶イケメンです。

 眠たそうな目は、程好く細くなり第三者にクールな印象を与えます。しかも毎回寝癖がまるでワックスセットしたかのように整っているのです。おまけにオーラまで纏ってちゃって……とてもじゃないですが、直視できません。

 むぅ、主人公補正恐るべし……。


「? さき、飯食ってるぞ」


「行ってらっしゃいです」


「あ、ああ……」


 兄貴を見送り、僕は部屋に一時的に部屋に戻ります。

 昨日、徹夜で作った兄貴の人物関係図、さらに登場キャラのプロフィールを纏めたノートを鞄の中に入れるためです。

 では早速、1ページ目を開いてみますか。

【石上 直樹】

性別 :男

誕生日:6月2日

趣味 :睡眠

【備考】

 僕と友里の兄貴であり、ハーレムの主であり、この小説の主人公。

 通称、歩くフラグメーカー。

 この世に落とせなかった女はいない!! ……と思います。



【石上 友里】

性別 :女

誕生日:4月7日

趣味 :兄貴の世話

【備考】

 我が家の自慢の娘。可愛い可愛い僕と兄貴の妹。

 僕以外の全てに笑顔を振り撒くポニテが似合う美しき女神。

 僕以外には慈悲深く、僕以外の人々を助けるお胸が発展途上な美しき女神。

 そう、僕以外には!!



【石上 直也】

性別 :男

誕生日:7月2日

趣味 :観察と実況

【備考】

 特に書くべき事はない。

 しかし、敢えて言うなれば語り部、もしくはナレーション。

 これからも、兄貴を取り巻く周囲の様子を記録していこうと思います。

 ……因みに僕はシスコンです。

 いつか友里ちゃんに「お兄ちゃん」と呼んでもらいたいお年頃なの。

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