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エリア斎藤

作者: 舟入 竜

意味分からない話だと思いますが最後までお読みください。

 虫が静かに鳴っている。風が優しく吹いている。

俺は今、UFO・宇宙人の研究家である。

年齢は二十六歳。

仕事はさっき言ったとおりだ。

住まいは田舎の中心部から少し離れた草木が生い茂る所にある小屋に住んでいる。

お金は親から月に五、六万貰ってる。

(あ〜情けない)

 今日も研究を続ける。

だが、全然進んでない。

季節は冬で部屋の中は寒すぎる。

腹は減ったが冷蔵庫を開けても何もない。

食料を買いに行きたいが寒いのがいやで外に出たくない。

(最悪の環境だ・・・・)なので、またポテトチップスを口の中へ。

ボリボリパリパリ・・・・時計を見ると昼の十二時である。

(退屈だなぁ・・・・)

俺は研究を中断し、寝ると昔の事を思い出した。

 今から六年前、俺は専門学校に通いながらバイトをしていた普通の学生だったのである。

だが、日々の生活で自分のしている事はこれで合っているのかと嫌気がさし学校もバイトもやめた。

それからというもの貯めたお金で一日中遊びまくったのだ。

だが、お金は底を突き一文無しになった俺は街中をふらふらしていた。

すると偶然電柱に貼ってあった貼り紙を見た。

そこにはこう書かれてあった。

【UFO・宇宙人研究所‐研究員募集‐】

俺はこれだと思いすぐ住所を調べそこへ向かった。都心からけっこう離れている場所だったので電車で行くことにした。

そして、着いたそこはなかなかの田舎だ。

住所どおりに研究所まで行くことにしたのだが、かなり遠かった。

また久しぶりの運動だったのでかなり疲れたし、その時は暑い夏でセミが鳴くなか汗を流しながらやっとの思いで辿り着いた。

だが、そこにあったのはボロボロの小屋であった。

古びた木で造られた薄汚い小屋で、築何年か分からない。

灯りは点いてないようだ。ガラッ

ガラス戸を開けると暗闇の中に眼鏡を掛けた長髪の男がいた。

かなり痩せ細っている。

「あ・・・何か食べるもの買ってきて・・・・・・」

ドサッ

男は倒れた。

その後、食料を買ってきて男に食べさした。

「ありがと・・・で、何か用?」

「え、あの・・研究所に入りたいんですけど・・・」

男にすべてを話した。

「いいよ・・別にすることないけど」

 それから現在。

本当に何もすることがなく暇でしょうがない。

仕事といっても金は貰えない。

「やめてぇ〜よ〜!だが、他にやることはない」

人生を棒に振った。

俺は起き上がり、目を擦った。

涙が出ている。

何でこんなことになったのか、まじめに働いておけばたぶん普通の生活を送れたであろう。

ガラッ

男が帰ってきた。ちなみに男の名前は宙乃彼方である。

(自分で考えた名前らしい、というか俺の方が良い名前を考えられる)

「ふ〜さぶっ!買ってきたぜ、お前の好きなうまい棒とチキンラーメン」

「ありがと」

それと宙乃の方が年上である。

「研究は進んでる?」

宙乃は髪から白い物体を出しながら聞いた。

「はぁ・・研究ってさっきから布を縫うばかりなんですけど・・・」

何回も指に刺さった。

「その縫ってるやつは宇宙人の服さ」

プシッ

宙乃は買ったコーラを一口飲んだ。

「誰が着るんですか?」

「お前だよ」

「えっ?」

俺はその時丁度縫い終わった。

「終わったようだな、よし行くぞ!」

「えっ!?」

全く意味が分からない。

 研究所を出た俺たちは人少ない民家の方へ行った。外はとても暗かった。

「よし、着いたから説明する。よく聞いとけよ」

「はい・・・」

そう言うと宙乃は持ってきた俺のうまい棒を食べた。

「あっ・・・・」

むしゃむしゃ・・・・

「ふ〜さて、今から人ん家に入りお金・食いもんを盗ってくること。ただそれだけだ」

「それは泥棒じゃあ・・」

「ああ、そうだけど」

(え〜!?)

「実はこの頃、全然研究なんかしてない。だから、金が無くなったら盗んでる」

(これが研究所の実態か)

「よし、脱いでパンツ一丁になれ。そして、さっき縫った服を着ろ」

俺は渋々服を着た。

 民家は静まり返っていて真っ暗だ。

宙乃は俺と似た宇宙人の服を着て、懐中電灯で照らしながら針金で玄関の戸を開けていた。

カチャ・・・

「開いたぞ、ついてこい」

宙乃は知らない人の家に無断で入り冷蔵庫の中から食料を盗り、俺にそれを持たせた。

それと、誰かの財布から一万円パクった。

「すべてうまくいっているぞ」

宙乃は調子に乗り過ぎだ。隣の部屋を覗いてみると、この家の住人がグーグー寝ていた。

「おい、帰るぞ!」

そして俺と宙乃は家を出て研究所へ帰った。 研究所の中はすごく寒くストーブを点けてもなかなか暖まらない。

「もう寝るか」

宙乃と俺は布団を敷いて寝た。

寝ながら俺は色々考えていた。

(こんなことやめて普通に働くか・・・)

トントン

誰かがガラス戸を叩く音がする。

(誰だ・・・?)

近づいて見てみるとなんとガラス越しから外が光っているのが分かる。

「何だ・・・・?」

開けようとしたら外から声が聞こえてきた。

「アケズ二キケ・・・アシタ・・アオイ・・バショ二イケ・・」

「えっ?」

「ツギハ・・・イチバンタカイ・・トコロ二・イケ」

「はぁ・・・」

声と光は消えた。

その声はまるで電子音の様な感じだった。

 「はっ!!」

目が覚めた。

今まで寝ていたようだ。

「夢だったのか・・・?」

隣に宙乃がぐっすり寝ている。

俺は外に出た。

田舎の澄んだ空気が俺の鼻から体へ入ってくる。

俺は下の民家の方へ行き青い屋根の家を探した。

(アオイバショって青い屋根の家かもしれないな)

あった。

真っ青な色をした屋根だ。しかもその家は、廃墟と化していた。

表札には斉藤という文字が書いてあった。

ガラガラ

「おじゃましま〜す」

中は埃ぽいっ空気が漂う。ミシッ

床がきしむ音がする。

居間らしき部屋に辿り着いた。

そこには錆付いた金庫が置いてあった。

何かその金庫に引き付けられた。

「開けてみるか・・・」

だが鍵が掛かっていた。

開けるための道具を持ってくるため、俺はいったん研究所へ戻った。

 ガラガラ

「どこ行ってたんだよ」

宙乃は起きていた。

俺は宙乃に今まで全ての事を話した。

夢の事も。

「俺も行くから待ってろ」

すると宙乃は急いで服を着替え、道具を準備した。

宙乃と一緒に青い屋根の斉藤さんの所へ向かった。

「絶対その金庫には大金が入ってる」

宙乃は自信たっぷりに言った。

「ここか・・・」

家に着いたら宙乃はそう言い、中へ入っていった。

「何で中に大金が入ってるって分かるんすか?」

「まずその夢の声は宇宙人だ。しかもここに行けということは、金庫を開けろということだ」

宙乃はまた自信たっぷりに言った。

「でも何で宇宙人がそんなことを?」

「俺たちが研究しているからだよ」

居間に入ると宙乃は金庫を確認し、バールを取り出した。

(そんなんで開くのか?)俺は宙乃が作業をしている間、家の中を探索することにした。

 台所に行ってみると異臭を放っていた。

冷蔵庫の中には腐った食物があった。

隣の部屋には布団が敷かれていて布団は何か盛り上がっている。

「何だ・・・?」

布団をめくった。

「ゲッ!何だこりゃ!?」

中には何かの肉の塊があった。

血が流れている。

俺は怖くなり逃げた。

そのころ宙乃はなんとか金庫の鍵を開けた。

「一千万円だ〜!」

金庫の中には本当に大金が入っていた。

「絶対誰にもやらねぇ。あのどっかから来た奴にも。よし、あいつ殺しとくか」

俺は聞いていた。

(やばい、早く逃げなくては)

玄関の方へ行こうとしたら宙乃に見つかった。

「おい!先に帰んのかよ」

「えっ!?いや別に・・・あっ、金庫の中何かあった?」

宙乃は少しの間黙った。

「何もなかった」

(嘘つき野郎め)

少しの間沈黙が続いた。

宙乃と俺は研究所に戻った。

 二人の沈黙はまだ続いている。

(逃げなければ殺される)俺の手は震えていた。

宙乃の視線がこっちの方に向けられている。

殺気が感じられる。

(まてよ、あいつを殺して大金をゲットするってのも悪くないな。いっちょやってみるか!)

俺は鼻をほじっている。

宙乃は爪を噛んでいる。

二人は目を合わさず背中どうしで向き合っている。

俺は振り向いてみると宙乃が目の前にいてバールを振りかざそうとしていた。

「死ねー!」

「うわぁー!!」

俺はバールを避けた。

そして武器を探したがなかったので研究所から出ることにした。

「逃がさん!!」

外に出ても追ってくる。

(やっぱ戦えねぇ!)

「うぉー!」

俺は全力で走り民家の方へ逃げた。

 「ハァハァハァハァハァハァハァハァハァ」

すごく疲れた。

ここに来てからかなり痩せたぽいっ。

俺は道端で倒れていた。

宙乃はどこに行ったか分からない。

仰向けになり空を眺めた。周りは畑があり、鳥の声が聞こえ、新鮮な空気が漂う。

(ふ〜気持ちいい)

でも、不思議なことに人が全然いない。

いくら過疎地といってもこれはおかしい。

まぁいいかと思い仰向け状態で休んでいた。

すると空に円盤が出現し、空を飛んでいた。

「あっ!UFOだ!!」

UFOは斉藤さんの家の上に行き止まった。

そしてUFOの下の部分に円状の穴が開き水色の光をだし、斉藤さんの家の頭上に放った。

「何してるんだ?」

するとあの肉の塊が家の屋根を通り抜け出てきた。

「あっ!」

肉の塊はUFOに吸い込まれていった。

そしてUFOは山の方へ飛んでいった。

ジャリ

誰かの足音が聞こえた。

「こんなとこにいたか!」

後ろに宙乃がいた。

「うわぁー!」

宙乃は鎌を持っていた。

俺は全力で山の方へ逃げた。

随分奥まで逃げてきた。随分奥まで逃げてきた俺は一休みした。

「ふ〜さすがにここまで来れないだろ」

辺りは木々で生い茂っている。

俺は木の根元の部分に腰掛けて昔のUFOについて思い出した。

 小学校の時、変な本を読みながら友達と手をつなぎ輪を作りUFOを呼ぶ儀式をしたりしたことを、でもUFOは来なかった。

あの時かなり強く願った。(それにしてもあの時見たUFOは本物だろうか。あと斉藤っていう人の家で見た肉の塊は何だったのだろうか?)

考えるうちに眠たくなってきたので木の下で少し寝ることにした。


 「うわぁぁぁぁー!!」

俺は悲鳴で目覚めた。

宙乃の声だ。

一、二時間くらい寝ていたようだ。

辺りは暗くなにも見えない。

するといきなり青白い光に包まれた。

「なんだ・・・?」

気が付くと光は消え、辺りは木々などではなくどこか分からない場所だ。

「何だ!?」

シンプルな部屋だ。

銀色の硬い壁に囲まれている円形の部屋。

物は何もない。

「どこだ・・・ここは?」

シュン

いきなり後ろの壁が開き、そこから宙乃が出てきた。

「あっ!」

「こんなところにいやがったのか!」

宙乃は狂ったように鎌を振り回した。

「待て!金は全部やるから落ち着け!」

俺は宙乃を落ち着かせるため説得した。

「本当か?なら俺は楽して生きていけるぜ!」

シュン

今度は前の壁が開き二体の宇宙人が出てきた。

「あー!宇宙人だ!」

俺と宙乃は一緒に言った。

「カメラ!カメラだ!あれ、どこにやったけなぁ?」

宙乃はカメラを探し続けているが見つからないようだ。

宇宙人はまるで灰色のスーツを着ているようだ。

目はでかくて黒く、体はかなり痩せている。

「あった!」

宙乃はカメラを見つけ撮ろうとした。

すると宇宙人は宙乃を指差した。

グシャ

次の瞬間、宙乃は何かに押し潰されたかのように潰れ血を飛び散らせた。

「うわぁぁぁぁー!」

宙乃はあの肉の塊になった。

俺は腰を抜かしその場にへたりこんだ。

宇宙人がこっちに近づいてきた。

「ちょっと待てって!」

俺の前まで来た。

「オマエモ・・ワレワレヲ・・ケンキュウ・・シテイルモノカ?」

夢の中で聞いた声だ。

「してない!」

「イママデ・・コノニンゲンニ・・ワレワレハ・・シラベラレテイタ」

宙乃の事だ。

「コノニンゲン二・・イッテモ・・シンジナカッタノデ・・コイツノマエノ・・ナカマニイッタガ・・ナカマダケガキタ・・ソシテソイツヲコロシタ」

(あの肉の塊か)

「オマエハ・・ワレワレヲ・・ヨンダ」

「えっ!?じゃあ俺が小学生の時に友達と呼んだあの事か?」

「オマエヲ・・イツモ・・カンシ・・シテイテタ」

「えっ!?」

「オマエハ・・ワレワレノ・・ケンキュウザイリョウダ」

(いつも観察されていたのか)

「あの、お金は本物じゃないのか?」

「アレハ・・オビキヨセルタメノ・・モノデ・・ニセモノダ」

「これから俺をどうするつもりだ!?」

「・・・・・・・・・・」

宇宙人は喋らなくなった。そういえば昔、宇宙人の本を読んだ時にこう書いてあった。

宇宙人の文明はかなり発達していると。

「あの・・・・」

「オマエヲ・・チキュウ二・・オクッテ・・チョウサ・・サセル」

「あの・・タイムマシーンってあるのか?」

「・・・?」

「調査するから好きな時間に戻して地球に帰してくれ」

俺は人生をやり直したい。

「ホントウダナ・・?ナライマスグチキュウ二・・・オクル」

俺は行きたい日、時間を言った。

すると青白い光に包まれた。


 「はっ!」

気が付くと自分のアパートの部屋にいた。

「確かこの時間は今から専門学校とバイトをやめに行くために準備している時に寝てしまった時か」

窓から綺麗な光が降り注いでいる。

ガラガラ

窓を開けてみると綺麗な太陽が輝いている。

「ふ〜さてこれからどうすっかな」

読んでいただき本当にありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[一言] 全く意味不明ということも無いが、終盤が安易に行き過ぎている感がありました。最後、主人公に仮にも幸福が訪れたので、もう少し感激しても良かったかなと思いました
[一言] 飄々とした主人公の性格に笑えました。なんて喜怒哀楽の波の少ない人(笑) おもしろかったです。 また楽しみにしています。ありがとうございました。
2007/07/04 11:44 宮薗 きりと
[一言]  このいきあたりばったり的な流れは好きです(笑)。ラストも取って付けたようで良いですね(あくまで個人の評価ですが)。  計算された展開はありませんでした。文章も少しばかりお粗末です。宇宙人と…
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