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ペース上げます。

一日、二回更新めざすぞ!

そんな日々を過ごすこと一年……。


オーロラが七歳の誕生日を迎える前日に忽然とジルは姿を消した。

屋敷にクロワッサンを届けにいったところ屋敷がもぬけの殻だったのだ。

近所の人に聞いたら引っ越したと言う。


誕生日には『デイジーの花束を持ってお祝いに行くよ』と言っていたくせにだ。


あーあ……。


なんだかぽっかり胸の奥に空洞ができたみたいだ。

最近元気溌剌としてきたジルは背もぐんぐん伸びてきてついにミシェルより高くなった。

勉強もできるようで毎日熱心に学習に取り組んでいるみたいだった。

剣術も本当にやり出してかなり体はひきしまってきていた。

もしイヴァンとあのまま一緒に過ごせていたらこんなふうに育ったのではないかと思うほどイヴァンに似ていて、イヴァンに会いたくて仕方なくなる時もあった。


「なんでいなくなっちゃったのよ……」


その日の夜、ベッドに入ってからオーロラは考え込んでいた。


そういえば前世でも同じくらいの時にいなくなった。

結局そうなのか……。


前世と同じように進んでいくのか?

いやでも絶対に違うはずだ。

だって、ジルは健康になったもの。

奥様だって生きていらっしゃる。


なぜ回帰したのか?

回帰したことを思い出してからずっとそれを考え続けてきた。


前世に心残りはあった。

イヴァンがどうなったのかとか、ソードノーズ王国がどうなったのかとか気になって死にきれなかったのかもしれないと思った。


けれど、回帰するなんて何か絶対意味があるはずだ。

何かやり残したことがあるから回帰したのだ。

それが、何なのかはわからない。

けれど、今世で生きながらそれを見つけなければならない。

それが回帰した自分の使命だと思う。


自分が回帰したとして何をしたいかと考えてみたら、

『前世では死んでしまった周りの人たちを助けること』だと思った。


今自分は奥様とジルの命を前世よりはつなげることができたと思う。

だからジルが前世と同じ時に自分の前からいなくなったとしてもそれは命を救ったのだからいいのだと思おう。

ジルは元気にこの場所を去ったのだ。

きっと本来いるべき場所に戻ったのだろう。


「ジルは元気になったのだからいいじゃない?」


思わず声が漏れたようだ。


「さみしいの?」


クティが目の前に座っている。


「うん。正直言っちゃうとそう。せっかく仲良くなれたのにって」


「前世でもこの時期に会っていたの?」


「あ、うん。けれど、前世では名前も知らなかったし、奥様は死んじゃったし、ジルは毒にやられたまま去ってしまったから、きっと……」


「うわ。すごい。じゃぁオーロラがまたひとり救ったね。いやふたりか」


クティが嬉しそうに笑う。

クティは前世でもひとり患者を救うたびに喜んでくれた。

黒の精霊なのに人を救うと喜んでくれる。まったく黒の精霊らしくない。そんな精霊だから好きになった。


「うん。ありがとう」


喜んでほめてくれるクティがいとおしい。

オーロラはクティの身体に顔をうずめた。


もふもふがたまらない。


「もう。くすぐったいって」


「だって、うれしいこと言ってくれるから」


「そりゃそうさ。僕はオーロラと契約してるからね」


得意気に言うクティの顔を見て、オーロラは微笑んだ。

やっぱりクティと契約してよかった。

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