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傲慢な英雄の書  作者: ヴェルク・メイカー
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Part77 ダンジョン・四層目 確証と探索

「増援は...なさそうね」


「そうだな」


スレイブ・アントを強襲したアメリとファシールはスレイブ・アントを殲滅した後、スレイブ・アントの増援が来る気配がないことを確認し合う。


「ってことは、やっぱり『水属性魔術(みずぞくせいまじゅつ)』が攻略のカギだったんだな」


「へへっ」と、ファシールは自分の推測が的中したことを喜ぶ。


「疑ってはなかったけど、実際に『水属性魔術(みずぞくせいまじゅつ)』が増援を防いでるんだったら、これくらいの消耗は許容範囲内ね。後、ニ,三回くらい戦っても、探索はできそうだわ。ファシールはどう?」


自分の消耗度合いを確認したアメリはファシールに消耗度合いを尋ねる。


「そうだな。俺もニ,三回、休憩を挟めば四回くらいは戦っても大丈夫だな」


と、ファシールは腕を組みながらアメリの問いに答える。


「それじゃ、探索を再開しましょうか。そろそろボス部屋への扉を見つけたいわね」


二人の消耗はそれほど激しくないという事を確認し、アメリは某部屋への扉の探索を再開しようとファシールに言う。


「おう!取り敢えず、この森からは抜け出したいしな」


ファシールはダンジョンの内壁にボス部屋への扉があると考えており、まずは森から出ることを目標にしているようだ。


「そうね。じゃあ、またスレイブ・アントが来る前にささっと移動しちゃいましょ」


そう言って、アメリは歩き始め、ファシールもそれに続くのだった。


-------------


その後、もう一度スレイブ・アントの集団と戦闘になったが特に問題なく殲滅したファシールとアメリは森を抜けてダンジョンの内壁にたどり着いた。


「ようやく、壁が見えたな」


ファシールは額に滲む汗を拭いながら言う。


「じゃ、壁に沿って歩いて行きましょ。一周したかわかるように木に傷をつけておいたわ」


アメリは傷と言うよりかは小さな風穴が空いている木を指しながら言う。


いつの間にか『光系統創造系魔術ライトコンプレッション』で圧縮した『光系統光線系魔術(ライトレーザー)』で穴を開けていたのだろう。


「そうだな」


ファシールは風穴(それ)について特に何も言わずに、アメリの提案に賛同する。


そうして、二人はダンジョンの内壁に沿って歩いていると、三体で行動するスレイブ・アントと複数回遭遇した。


ファシールがスレイブ・アントよりも先にその気配に気付き、アメリの『水系統刀系魔術(ウォータースラッシュ)』で倒していて「戦闘と言うよりかは、何か別のものだな」と、二人で笑い合う。


そんな二人がボス部屋に続く扉を見つけたのはダンジョンの内壁を半周した頃だろう。


「あった」


そう呟いたのはアメリだった。


「やっと見つけたぜ」


ファシールは達成感に満ちたような声で言う。


「じゃあ、ボスの姿を拝んだら一旦戻って、休憩してから挑もうぜ」


ファシールはアメリに休息を取ってからボスと戦うことを提案する。


「そうね。ボスと戦えるくらいの魔力が残ってるかと言われれば、かなり怪しいものね」


アメリはファシールの提案に賛同する。


「おっし!そうと決まれば、扉をちょっとだけ開けるぞ〜」


そう言いながら、ファシールはボス部屋の扉を少しだけ開く。


そこには、夥しい数のスレイブ・アントと3体のスレイブ・アントよりも一回り程大きいアリのモンスターが忙しなく動き回っている。


そして、スレイブ・アントよりも二回り以上大きいアリのモンスターが一体が鎮座していた。


「うげっ! 何だあの数...」


ファシールは余りのモンスターの数にやる気がそがれたような声が漏れる。


「・・・取り合えず、スレイブ・アント以外のでかい奴らだけ『下位(かい)鑑定(かんてい)』しておくか...『下位(かい)鑑定術(かんていじゅつ)』」


ソルジャー・アント 基礎Lv21

希薄化(きはくか)Lv41 尖鋭双顎(せんえいそうがく)Lv6

アント系モンスターの中で最も数が多いと言われている。


ソルジャー・アント 基礎Lv18

暗視眼(あんしがん)Lv37 螺旋双顎(らせんそうがく)Lv6

アント系モンスターの中で最も数が多いと言われている。


ソルジャー・アント 基礎Lv19

基礎速度小上昇きそそくどしょうじょうしょうLv38 剛殻双顎(ごうかくそうがく)Lv6

アント系モンスターの中で最も数が多いと言われている。


キャプテン・アント 基礎Lv23

硬質化(こうしつか)Lv4 尖鋭双顎(せんえいそうがく)Lv9 外骨鎧(がいこつがい)Lv4

巣から獲物を取りに行く小隊のリーダーをする時がある。


ファシールはアメリに『下位(かい)鑑定(かんてい)』の結果を伝える。


「ふ~ん、ていうか前にファシールが言ってた『炎系統壁系魔術(ファイアーウォール)』を食い破ってきたのってソルジャー・アントなんじゃない?」


「多分そうだな」


ファシールはアメリの考えを肯定する。


「じゃあ、謎のモンスターの正体もわかったことだし、広間に戻って休憩しましょう」


そう言って、アメリは歩きだし、ファシールもアメリに続いて歩きだした。


こうして二人は、風穴を開けた木がある場所までダンジョンの内壁に沿って歩き、そこから天幕を張っている三層目と四層目の間の広間まで戻るのだった。

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