Part7 ファシール vs ゴブリン・リーダー
「かかってこいよ」
ファシールが再びゴブリン・リーダーを挑発するが、挑発に乗らずに剣を構える。
「へっ、そうでなくっちゃな」
ファシールは少し笑いゴブリン・リーダーに向けて駆け出す。
「『突進突き』」
ファシールがさらに加速しゴブリン・リーダーをそのまま突く。
が、ゴブリン・リーダーは槍の先を剣の腹で逸らすことで攻撃を回避しながら、『一閃』を発動させ、ファシールの首を狙う。
「あっぶね」
ファシールは咄嗟に頭を後ろに下げることで『一閃』は回避するがバランスを崩してしまう。
その隙にゴブリン・リーダーは『二連閃』で追い討ちをするが、ファシールはかつてヴェルクにした様に、
「『受け流し』!」
ファシールはゴブリン・リーダーの『二連閃』の一撃目を受け流すことで隙を作って窮地を脱し、ゴブリン・リーダーから距離を取る。
「もう一回!『突進突き』」
ファシールは初めと同じ様に加速してゴブリン・リーダーへ向かっていくが、
「からの『二連突』!」
ファシールは「『突進突き』での攻撃をするぞ」ということをはじめにゴブリン・リーダーへ刷り込む。その後、次の攻撃に若干のラグを入れることにより相手のリズムを崩すことで、本命の『二連突』で攻撃を当てるという策を実行する。
「グギィ」
「よっしゃ」
見事に策が成功し、ゴブリン・リーダーの左腕に大きな傷ができる。
しかし、ゴブリン・リーダーは闘志を絶やすこと無く右手で剣を握り、構えていた。
「さぁ、もう一回だ!『突進突き』」
ここで、ゴブリン・リーダーはファシールが直接『突進突き』で攻撃するのか、先ほどの様に『突進突き』はフェイントで『二連閃』で攻撃するのかの二択を押し付けられていた。
ゴブリン・リーダーの取った行動は後ろに下がることでファシールの攻撃を空振りさせ、カウンターを取るということだった。
「バカが!『炎系統刀系魔術』」
ファシールはゴブリン・リーダーが後ろに下がるのを見て『炎系統刀系魔術』を放つ。
ゴブリン・リーダーは避けられないと悟り左腕でガードするが、
「グギャァァァ」
ファシールの放った『炎系統刀系魔術』はゴブリン・リーダーの左腕を切り裂き、切り傷が焼かれることでゴブリン・リーダーに激痛が走る。
その隙をファシールが見逃すはずものなく、
「『縦裂き』!」
ファシールの『縦裂き』によって、ゴブリン・リーダーの頭が裂かれ、ゴブリン・リーダーは死亡した。
「いぇ〜い、俺の勝ち〜」
と喜ぶファシールの頭をはたき、アメリは怒鳴った。
「なんではじめから魔術を使わなかったんじゃこら!」
この質問に対して。ファシールは、
「だって、それじゃ楽しくないじゃん」
と答え、アメリは激怒した。




