Part66 ダンジョン・三層目 vs オールダートレント
「やっと見つけたぜ」
「2日もかかるなんて思わなかったわ」
そう言う、ファシールとアメリの前にはボス部屋へと続く扉があった。
「それにしても、まさかタイタ村の近くにあるダンジョンと同じように森の中心に洞窟があるとはな...」
ファシールはタイタ村にあるゴブリンダンジョンを思い出したのか、そう呟く。
「まあ、見つかったからいいじゃない」
アメリはファシールの呟きが聞こえていたのか、まるで気にしていなさそうな様子で言う。
ファシールは「はぁ」と小さくため息を吐くも、すぐに気持ちを切り替えたのか、一層目・二層目と同じようにボス部屋へ続く扉を少し開けてボスを鑑定する。
オルダートレント 基礎Lv27
伸縮Lv1 震響眼Lv1硬質化Lv10
樹木に凶悪な人面がついたようなモンスターであり、樹木の大きさは周りの木よりも一回りほど大きい。
「オルダートレント...ねぇ。随分と強そうだけど、どうするよ? アメリ」
ファシールは少し興奮した様子でアメリに問う。
そんなファシールの様子を見て、
「・・・どうせ答えは決まってるんでしょ? 声が抑えれてないわよ」
と、アメリは言う。
「まあな」
そう言って、ファシールは槍を握りなおす。
とりあえず、戦い方はトレントと同じで、俺がオルダートレントに攻撃するから、アメリは『光系統光線系魔術』とか『光系統刀系魔術』でオルダートレントの動きを牽制してくれ」
「わかったわよ。後、やばそうだったら『光系統範囲回復系魔術』で回復させるわよ」
「あぁ、頼りにしてるぜ」
はにかんだような顔でアメリに言う。
アメリは自信たっぷりに「任せなさい!」と、ファシールに返す。
その後、ちょっとした作戦会議をしたのちに、二人はボス部屋へと足を踏み入れるのだった。
-------------
「『炎系統竜巻系魔術』」
ボス部屋に踏み入れた瞬間に、ファシールは自身が放てる魔術の中で最大火力である『炎系統竜巻系魔術』をオルダートレントに放つ。
『炎系統竜巻系魔術』がその巨大な炎の渦でオルダートレントを飲み込み、その体を燃やしたかに見えたが、
「無傷、という訳でもないとは思うんだが...」
そうファシールが呟くように、『炎系統竜巻系魔術』による攻撃が終わり、その姿を現したオルダートレントは少し焦げただけで、致命的なダメージを負っていないようだ。
オルダートレントは『炎系統竜巻系魔術』を放ったのがファシールだと認識できるのか、ファシールに向けて『伸縮』で伸ばした枝を鞭のようにしならせて攻撃する。
「『受け流し』」
「私もいるんだからね!『光系統光線系魔術』『光系統創造系魔術』」
ファシールはオルダートレントの攻撃を『受け流し』で横へ逸らす。
その後ろでアメリが『光系統創造系魔術』で圧縮した『光系統光線系魔術』でオルダートレントを攻撃して、オルダートレントの注目を集める。
アメリの『光系統創造系魔術』で圧縮した『光系統光線系魔術』はオルダートレントの幹を貫き、小指程の大きさの穴を開けていく。
しかし、オルダートレントは自身の幹を貫通したアメリの攻撃よりもファシールの『炎系統竜巻系魔術』を脅威に感じているのか、アメリではなくファシールを集中して狙う。
ふいに、攻撃が二人に届かない場所でオルダートレントが『伸縮』伸ばした枝を振るい、ヒュンと風を切る音が聞こえる。
しかし、その音の発生源はオルダートレントの枝だけではない。
「──イタッ!」
音が聞こえてから数瞬、ファシールの頬には決して浅くはない切り傷ができていた。
「ファシール!」
アメリが心配して声を上げる。
「大丈夫だ!それよりも今の──」
再び、風を切る音が聞こえる。
「クソッ!どんな攻撃がわかるか、アメリ⁉︎」
今度は足に切り傷ができ、少し焦ったような声でオルダートレントの攻撃が見えたかをアメリに問う。
「葉っぱ──枝を振るって葉っぱを飛ばしてるわ!」
アメリはオルダートレントが枝を振るった後にファシールの後ろに現れた葉っぱを見て、確信したように言う。
「なるほどな。葉っぱの超高速の遠距離攻撃か」
ファシールは見えない攻撃が葉っぱによる遠距離攻撃である事を理解し、対抗策を考える。
「・・・アメリ、葉っぱを『光系統光線系魔術』で撃ち落としたりは...」
「できるわけないでしょ!『光系統光線系魔術』『光系統創造系魔術』」
ファシールの無茶な提案を一蹴しながらも、アメリは『光系統創造系魔術』で圧縮した『光系統光線系魔術』でオルダートレントに攻撃する。
「ま、そうだよな。となると...これだな。アメリ!ちょっとだけ時間を稼いでくれ『炎系統創造系魔術』」
ファシールはアメリに一蹴されたことは気にも止めず、次の策としてオルダートレントから離れたに移動し『炎系統創造系魔術』を使用するのだった。




