Part58 ダンジョン・第二層 スライム殲滅戦
アメリが『光系統範囲回復系魔術』ビック・スライム以外のスライムがアメリに引き寄せられるように移動を開始した。
「『炎系統光線系魔術』...半分も届くか届かないくらいか。じゃあ、二倍とちょっとの魔力を込めて──『炎系統光線系魔術』」
ファシールは魔力の出力を精密に操作し、『炎系統光線系魔術』でスライムの核を破裂させる。
「うっし!これくらいの魔力なら『炎系統槍系魔術』よりも負担が少ないな」
『炎系統光線系魔術』でスライムの核を破裂させれたことで、ファシールは訓練の成果を感じていようだ。
ただ、『炎系統光線系魔術』では圧倒的なスライムの数にジリ貧になるだけだろう。
「アメリ!次はいけるか⁉︎」
「もちろんよ!『光系統範囲回復系魔術』」
しかし、アメリが『光系統範囲回復系魔術』でスライムを蹴散らす。
そうすることで、戦況は安定していた。
「!──ビック・スライムが動き出したぞ!」
ファシールはアメリに警告をする。
ビック・スライムも他のスライムと同様にアメリに向かってのっそのっそと移動する。
ただし、体が他のスライムよりも大きいせいか、他のスライムよりも移動が早い。
「アメリ!もう一発だ!今度はビック・スライムを二匹とも巻き込んじまえ!」
「分かってるわよ!『光系統範囲回復系魔術』」
アメリの『光系統範囲回復系魔術』が二匹のビック・スライムを巻き込んで発動する。
基礎Lv17だったビック・スライムの核はアメリの『光系統範囲回復系魔術』受けて破裂した。
しかし、最も基礎Lvが高かったビック・スライムはアメリの『光系統範囲回復系魔術』を受けても動きが鈍るだけであった。
「アメリ!俺が道を作るから、『光系統光線系魔術』でこいつの核を撃ち抜いてくれ!」
「分かったわ!」
ファシールはアメリに指示をした後、ビック・スライムに向けて駆け出す。
「邪魔だ。『瞬突』」
ファシールは『瞬突』を使って、槍が溶かされる前に足元にいるスライムの核を壊していく。
数体のスライムの核を壊したファシールはビック・スライムまでたどり着く。
「アメリ!『瞬突』」
ファシールは『瞬突』でビック・スライムの核の周りにある半透明な物質を弾き、核を剝き出しにする。
「『光系統光線系魔術』」
アメリの放った『光系統光線系魔術』が剥き出しになったビック・スライムの核に直撃し、ビック・スライムの核は破裂した。
ビック・スライムの核が破裂したことを確認したファシールはアメリの近くまで戻ってきて言う。
「後は残ったスライムを『光系統範囲回復系魔術』で一掃するだけだな」
「そうね。じゃあ、また近づいてきたスライムの対処をよろしくね」
「おう」
ファシールとアメリはそのままの勢いで残ったスライムたちを殲滅するのだった。
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「お疲れ様」
そう声を掛けたのはスライムの魔石を集め終わったアメリだった。
「おつかれ~」
ファシールもスライムの魔石を集め終わり、アメリに労うような言葉を返す。
「それにしても多かったわねぇ、スライム」
「そうだな。スライムが追加でワラワラと湧いてきたときは流石にヤバいかもって思ったけど、何とかなるもんだな」
二人は先程までのスライムとの戦いを思い出しながら会話する。
「それにしても、どうしてスライムたちはここに集まってたのかしら?」
アメリはスライムがいた理由をファシールに尋ねる。
「さあな」
ファシールがその理由を知っているとは思っていなかったのか、アメリは「それもそうね」といった様子で軽く頷く。
「でも」とファシールは言葉を続ける。
「これが関係しているかもしれない」
そう言って、ファシールはアメリに掌を見せる。
「なにこれ?」
ファシールの掌に乗っていた物は三つの破損した白みがかった金色のアクセサリーらしきものだった。
破損ぐらいや意匠の繋がりを鑑みて元々は一つの物だったのだろう。
「俺も気になって『下位鑑定』してみたんだが、鑑定に失敗したんだよ」
ファシールは『下位鑑定』が失敗したからどんな物かは分からないとアメリに伝える。
「──!それって...」
アメリは『水雹の杖』に触れる。
「あぁ、これは上位以上のアイテムだってことだ」
過去に一度、『下位鑑定』に失敗した『水雹の杖』を見ながら、そうファシールは告げるのだった。




