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傲慢な英雄の書  作者: ヴェルク・メイカー
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Part48 休憩と噂の宝箱

「ふがっ⁉︎」


ファシールが豚の鳴き声のような声を出す。


どうやら目が覚めたようだ。


「あ、ファシール起きた?」


アメリがコボルト・リーダーから魔石を抜き取る作業をしながらファシールに声をかける。


「ふぁ〜〜・・・おぅ、ばっちりだせぇ〜」


そう言って、ファシールは目を擦りながら立ち上がる。


「なぁ、アメリ。俺、どれくらい寝てた?」


ファシールはアメリの方へ歩きながら尋ねる。


「そうねぇ...私がゴブリン・リーダーから魔石を抜き取ってコボルト・リーダーの魔石を抜き取る作業を始めるくらいかしら?」


ニヤニヤとファシールを見つめながら返答したアメリは「疲れたなぁ」とでも言いたげに体をほぐし始める。


「わぁったよ。俺が寝てた分働かせてもらいますよっと」


そう言って、ファシールはコボルト・リーダーの死骸の上に飛び乗る。


「アメリは休憩でもしててくれ」


「あら、悪いわね。じゃあ、お言葉に甘えて休憩をとらせてもらうわ」


そう言って、アメリはコボルト・リーダーから飛び降りて休憩を取るのだった。


-------------


「よっと...んで、どうする?アメリ」


「ん?どうするって、何をかしら?」


コボルト・リーダーの魔石を抜き取り終えたファシールはコボルト・リーダーから飛び降り、休憩しているアメリへと問いかける。


「何がって、そりゃ...このままダンジョンを攻略し続けるか、ダンジョンの攻略を切り上げて一旦出るかだよ」


「そうねぇ...まぁ、期限は一ヶ月あるって話だし一旦切り上げましょう」


「やっぱそうだよな!」


かくして、ファシールとアメリはダンジョンの攻略を切り上げたのだった。


-------------


「ふぅ、帰りは比較的楽だったわね」


一息付いたアメリがそう呟く。


「あぁ、そうだな。それと、『下位(かい)鑑定(かんてい)』してて気付いたんだけどよ。モンスターの基礎Lvが入った時より低くなってたんだよ」


「そうなの?」


ファシールの言葉にアメリは聞き返す。


「あぁ。理由はわかんねぇけど、次の攻略の時のボスモンスターの基礎Lvも低くなってるかもしれないな」


ファシールはそう予想を言う。


「それにしても不思議よねぇ。どうして、ボスモンスターなんていう強力なモンスターがボス部屋にしかいないのかしら?」


「わっかんねぇ。それよりもさ、噂の宝箱ってどこにあると思う?」


ファシールは噂の宝箱がどこにあるかとアメリに問う。


「え?ファシール、ダンジョンのボスを倒したら宝箱が出るって噂、本当に信じてるの?」


またしても、アメリはファシールに聞き返す。


「当たり前だろ!ギルド長やヴェルミリアさんには聞きそびれたけど、冒険者の間じゃ存在するっていう話だし」


「でも、ゴブリンのダンジョンには無かったでしょ?」


アメリはタイタ村の近くの森の中心部に存在するゴブリンのみが出現するダンジョンを反例に挙げ、噂の宝箱の存在を否定する。


「うっ・・・それはそうだけど...けどよ!このダンジョンの方が難しいし、あるかもしれねぇだろ!」


ファシールは駄々をこねる子供のように頑なにダンジョンの宝箱の存在を肯定する。


「はぁ〜...まぁ、仮にあるとして、ファシールはどこにあると思ってるのよ?」


ため息を吐き、アメリはファシールに尋ねる。


「5層目位のボス部屋にあると思うんだよな。理由は指名依頼の範囲が5層までで、それまでに出て欲しいから!」


「それ、理由になってないわよ」


ファシールのボケにアメリがツッコミをする。


その後、各々休憩を取ったり、『創造系魔術(そうぞうけいまじゅつ)』の訓練をしたりして時間を潰して過ごすのだった。

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