Part32 ゴブリン大討伐 ・ vs ゴブリン・アーチャー・ロード
「あん時の借りを返してやるぜ」
その言葉と同時にファシールが前に飛び出す。
「『突進突き』」
加速したファシールを見てゴブリン・アーチャー・ロードは横への回避を試みる。
しかし、
「それはわかってるわよ!『光系統槍系魔術』」
「グギャッ⁉︎」
ゴブリン・アーチャー・ロードの癖を観察していたアメリが『光系統槍系魔術』をゴブリン・アーチャー・ロードに当て、ダメージを与える。
「私もいるっスよ!『乱れ撃ち』」
スーリルが5本の矢を連射してゴブリン・アーチャー・ロードに攻撃する。
「おっしゃ追撃──ってマジかよ」
ゴブリン・アーチャー・ロードが『撃ち落とし』でスーリルの『乱れ撃ち』を撃墜していく。
さらに、『瞬射』でファシールとアメリを攻撃する。
「おっと、『突進突き』」
「2人はオラが守るダス!」
ゴブリン・アーチャー・ロードが放った『瞬射』をファシールは『突進突き』で加速して回避し、アメリはタンジェスによって守られた。
「タンジェス、ありがとう。『水系統竜巻系魔術』『光系統刀系魔術』」
アメリはゴブリン・アーチャー・ロードの背後に『水系統竜巻系魔術』を放つ。
その後にゴブリン・アーチャー・ロードの弓に向けて『光系統刀系魔術』を放つ。
ゴブリン・アーチャー・ロードは背後で突然発生した音に驚き、背後を確認しようとするも、野生的な勘でファシールがいる方向へ駆け出すことで弓に向けられた『光系統刀系魔術』を回避する。
「なに⁉︎『二連突』」
咄嗟にゴブリン・アーチャー・ロードに向けて『二連突』を放つが、ゴブリン・アーチャー・ロードは『鏃受け』で攻撃を逸らしながらファシールに横を通り過ぎる。
直後、ファシールに向けて『引き撃ち』を放ち、その衝撃でファシールから距離を取る。
「ぐぁっ!あいつ、近接も強いな」
ゴブリン・アーチャー・ロードの『引き撃ち』によって放たれた矢がファシールの右太腿を貫く。
「ファシール!『光系統纏系魔術』『光系統単体回復系魔術』」
『光系統纏系魔術』によって髪が黄色に染まり、回復の威力を向上させたアメリは遠くからファシールを『光系統単体回復系魔術』で癒し始める。
幸い、矢は太腿を貫通していたのでアメリの『光系統単体回復系魔術』で回復できるが、ゴブリン・アーチャー・ロードはみすみす回復をさせるほど、優しくはない。
ゴブリン・アーチャー・ロードはファシールに畳み掛けるように『乱れ撃ち』する。
その威力はスーリルとは比べ物にならない方ど凶悪な物である。
「『炎系統壁系魔術』」
そこでファシールは『炎系統壁系魔術』での防御を試みる。
しかし、ゴブリン・アーチャー・ロードが放った『乱れ撃ち』は威力は減少したものの、ファシールの頬を擦り、左肩に命中する。
ファシールは「フゥゥゥ」と深呼吸をすると、
「『炎系統刀系魔術』『飛翔突』」
痛みを無視しながらゴブリン・アーチャー・ロードに向けて『炎系統刀系魔術』と『飛翔突』を放つ。
「なんとかなれっス『乱れ撃ち』」
ファシールが窮地に陥っている様を見て動揺しながらもスーリルは『乱れ撃ち』でゴブリン・アーチャー・ロードに攻撃する。
対してゴブリン・アーチャー・ロードは冷静であった。
木から落とされたことによる動揺も時が経つにつれ戦闘の楽しさが上書きしていく。
ゴブリン・アーチャー・ロードは慢心していた。
「1度は罠に嵌められたが、これ以上はもう何もない」と。
故に、より快感が得られるように動いた。
ゴブリン・アーチャー・ロードは地面に『引き撃ち』を放ち、その衝撃で上空へと投げ出される。
これにより、ファシールとスーリルの反撃を全て回避しながらも容易に反撃できる。
ファシールの頭に向かって『頭撃ち』を放───突如、プレフォロン大森林に轟音が鳴り響く。
それはヴェルミリアの巨大な『操血系統球系魔術』が地面と衝突した音である。
ゴブリン・アーチャー・ロードはその轟音に一瞬気を取られる。
「最大火力だ!!『炎系統竜巻系魔術』」
直後、ゴブリン・アーチャー・ロードは『炎系統竜巻系魔術』に包まれる。
「グギャャァアァ!!!」
ゴブリン・アーチャー・ロードは悲鳴を上げながらも真横に『引き撃ち』を放ちその衝撃で『炎系統竜巻系魔術』の範囲外に脱出するが、
「この瞬間を見逃すわけないでしょ!『光系統刀系魔術』『光系統刀系魔術』…」
火だるまになって脱出してきたゴブリン・アーチャー・ロードに向けて『光系統刀系魔術』を複数回放ちゴブリン・アーチャー・ロードの腕、脚、腹、弓に命中する。
ゴブリン・アーチャー・ロードの弓は一連の攻撃に耐え切ることができずに破壊される。
弓が壊れたことで『引き撃ち』で落下の衝撃を緩和することができず、ダメージから立ち直ることもできずにゴブリン・アーチャー・ロードは落下死した。




