Part30 ゴブリン大討伐 ・ リベンジマッチ
ヴェルミリアとセドリックがゴブリン・キングを討伐する少し前、
「今の声すごかったな」
「そうスっね。誰かが大物とぶつかってるんじゃないっスかね?」
ファシールとスーリルが呑気に話していると、
「この辺りじゃなかったかしら?」
「そうだな、ここら辺だった気がする。ダンジェスどうだ?」
「オラもそう思うダス」
ダンジェスとスーリルがファシールたちに助けを求めてきた地点に到着した。
「よし、ここからは気を引き締めていくぞ!」
「「「おぉ〜!」」」
その後、周囲をくまなく探索したがゴブリンを発見するに至らなかった。
「いないなぁ」
「そろそろ来てくれないと不安になってくるっス」
周囲を探索しながら会話していると、草むらからガサガサと音が鳴る。
「なんだ!」
4人全員の視線が草むらに固定される。
そして、飛び出してきたのは──ウサギだった。
「なんだウサギかよ」
それまで張り詰めたような空気の中集中していた4人はファシールが咄嗟に言った言葉での緊張の糸が切れる。
ゴブリン・アーチャー・ロードは狩人である。
それも、獲物を追いかけるのではなく、ただひたすらに獲物が隙を晒すのを待ち続けるのだ。
それこそ、己を呼ぶゴブリン・キングの雄叫びが聞こえようとも。
待ち続けて見つけるその隙に、ゴブリン・アーチャー・ロードは必殺の矢を放つのだ。
そして今、致命的な隙を晒してしまったファシールたちにゴブリン・アーチャー・ロードから『一射』を使った必殺の矢が放たれた。
しかし、
「ダス!」
スーリルに向けて放たれた必殺の矢はダンジェスの斧によって防がれた。
「見つけたけぜ、ゴブリン・アーチャー・ロード!リベンジマッチだ!」
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「ヴェルミリアさん、ゴブリン・アーチャー・ロードが仕掛けてくるとしたらどのタイミングだと思いますか?」
プレフォロン大森林に出発する少し前、ファシールはヴェルミリアに尋ねる。
「ふむ。いい質も─「いい質問じゃ、ゴブリン・アーチャー・ロードは謂わば待ちの狩人じゃ。つまりは」─ええい邪魔だ、セドリック!ゴブリン・アーチャー・ロードを狙うなら隙を晒したようにして気配を探ってみろ。すると矢が飛んで来るからな」
ヴェルミリアとセドリックが小競り合いをしながら答えた。
「なるほど。ありがとうございます」
「あぁ、励むと良い」
「頑張るのじゃぞ〜」
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「あの2人の言った通りに隙を晒したらすぐに仕掛けてきたな。罠とも疑わずに攻撃したのは、頭がゴブリンだからなのか、それとも自信からなのか...どちらでいいが、ここから追い詰めさせてもらうぜ!スーリル!」
「はいっス!『二連射』」
ファシールの号令と共にスーリルが『二連射』を放つ。
しかし、ゴブリン・アーチャー・ロードは必殺の矢をダンジェスに防がれた時点で逃走を開始していた。
だから、
「『炎系統光線系魔術』 次、アメリ!」
「わかってるわよ『水系統光線系魔術』」
ファシールが『炎系統光線系魔術』を放つ。それに続いてアメリが『水系統光線系魔術』を放った。
その後、ゴブリン・アーチャー・ロードの後をスーリルの導きで追いかける。




