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傲慢な英雄の書  作者: ヴェルク・メイカー
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Part27 ゴブリン大討伐 ・ レオニス vs ゴブリン・ファイター・ロード

「ぐるぅ」


ゴブリン・ファイター・ロードは愉快そうに自身の持つ長剣をレオニスに向ける。


「こちらの言葉を理解しているのか?ちょうどいい、ゆくぞ!『突進斬(とっしんざん)』『瞬閃(しゅんせん)』」


レオニスは『突進斬(とっしんざん)』でゴブリン・ファイター・ロードの場所まで移動し、『瞬閃(しゅんせん)』を使い目にも止まらぬような連撃を叩き込む。


しかし、ゴブリン・ファイター・ロードも『瞬閃(しゅんせん)』を使いレオニスの攻撃を防ぐ。


「ぐるる」


ゴブリン・ファイター・ロードは剣と剣がぶつかり合う衝撃で手が痺れる感覚を好ましく思っているかのような声を出す。


余裕そうなゴブリン・ファイター・ロードに対してレオニスの顔に焦りは無かった。


「次だ『(かぶと)()り』」


それどころか、これくらいは当然の反応だとさえ思っているような口調で次の攻撃を繰り出す。


レオニスが狙ったのはゴブリン・ファイター・ロード自体ではなくその武器であった。


対して、ゴブリン・ファイター・ロードは剣で受け止めるのではなく、剣の腹でレオニスの『(かぶと)()り』を受け流す。


ガリガリと音を立てながら受け流されたレオニスの剣はゴブリン・ファイター・ロードの武器を破壊することができずに勢いよく地面に向かって振り下ろされる。


その無防備なレオニスの腹にゴブリン・ファイター・ロードが『一閃(いっせん)』を使い攻撃しようとするが、


「『縮地(しゅくち)』『(かぶと)()り』」


レオニスが『縮地(しゅくち)』を使い、瞬く間にゴブリン・ファイター・ロードの背後に移動する。


そして、流れるように『(かぶと)()り』を使い、今度はゴブリン・ファイター・ロード自身に攻撃をする。


ゴブリン・ファイター・ロードは一瞬で姿が掻き消えたレオニスの声が背後から聞こえたことに驚き『一閃(いっせん)』を中断する。


ゴブリン・ファイター・ロードはレオニスの『(かぶと)()り』を防ごうとするも、剣が間に合わないと悟り、左手で一か八かの受け流しを試みる。


結果として受け流しには成功する。しかし、ゴブリン・ファイター・ロードの左手の小指と薬指が切断される。


「ぐぎゃぎゃぎゃ」


ゴブリン・ファイター・ロードはとても愉快そうに笑う。


この結果にレオニスの顔は驚きの表情に変わる。


指が二本なくなったとはいえ手で技能を用いた攻撃を受け流すなど自身の師である『剣聖』セドリックでさえも可能かわからない、まさに神業というものである。


しかし、驚きはしたもののレオニスの攻撃はゴブリン・ファイター・ロードに通っている。


「畳み掛ける!『縮地(しゅくち)』『瞬閃(しゅんせん)』」


レオニス再びゴブリン・ファイター・ロードの背後に『縮地(しゅくち)』で移動し『瞬閃(しゅんせん)』で攻撃をする。


「『縮地(しゅくち)』『瞬閃(しゅんせん)』」


再度、『縮地(しゅくち)』で移動する。ただし、次はゴブリン・ファイター・ロードの右側に。


そして、『瞬閃(しゅんせん)』を使い攻撃をする。


「『縮地(しゅくち)』『瞬閃(しゅんせん)』...」


レオニスの奥の手とでも言える『縮地(しゅくち)』と『瞬閃(しゅんせん)』を用いた全方位からの剣撃の中をゴブリン・ファイター・ロードは一歩前に進む。


それだけで、ゴブリン・ファイター・ロードの攻撃力が『歩兵術(ほへいじゅつ)』の効果で跳ね上がる。


ゴブリン・ファイター・ロードは振り返りながら『(まわ)()り』で攻撃する。


当然、レオニスには当たらない。


しかし、レオニスのペースを崩すことに成功する。


一転、ゴブリン・ファイター・ロードが攻勢に出る。


「ぐきゃ〜」


レオニスの攻撃が楽しかったのか、面白かったのか...ゴブリン・ファイター・ロードは満足そうな声をあげながら『突進斬(とっしんざん)』でレオニスに向かって駆けていく。


対してレオニスは『縮地(しゅくち)』を使うことなく応戦する。


消耗の激しい『縮地(しゅくち)』と『瞬閃(しゅんせん)』を使った攻撃を耐えられたからには、これ以上の消耗はできないと判断なのだろう。


「『一閃(いっせん)』」


ゴブリン・ファイター・ロードが初めにした攻撃は『一閃(いっせん)』であった。


ゴブリン・ファイター・ロードの『一閃(いっせん)』での攻撃を察知したレオニスは『一閃(いっせん)』を合わせることで攻撃を相殺する。


「『二連閃(にれんせん)』」


ゴブリン・ファイター・ロードの技能を使った連撃をその才能をいかんなく発揮し、同じ技能で相殺していく。


「ここ!『飛翔斬(ひしょうざん)』」


ゴブリン・ファイター・ロードの『(まわ)()り』を上体を反らして回避し、『飛翔斬(ひしょうざん)』をゴブリン・ファイター・ロードの伸ばした右腕に叩き込んだ。


レオニスの剣がゴブリン・ファイター・ロードの右腕を半分ほど切り裂き、『飛翔斬(ひしょうざん)』によって右腕が吹き飛ばされる。


「これで終わりだ。『(かみ)()り』」


すぐさま体勢を整えた『下位(かい)剣術(けんじゅつ)』最高の技能である『(かみ)()り』によってゴブリン・ファイター・ロードは首を斬り飛ばされ即死した。


「中々に歯ごたえのある奴だったな」


「レオニス様、ご無事なようですね」


「あぁ、ヴォテロンか。そちらは余裕で勝利したようだな。私は気力をほとんど使い果たしてしまったよ」


「はははっ」と笑うレオニスにヴォテロンは仮拠点への帰還を提案する。


レオニスはこれを了承し、レオニスたちはゴブリンたちの魔石を抜いた後に仮拠点へ帰還を開始した。

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