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傲慢な英雄の書  作者: ヴェルク・メイカー
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Part20 ゴブリン大討伐 ・ ゴブリン撃退戦

馬車がプレフォロン大森林に到着することはなかった。


なぜなら、


「ゴブリンだ!」

「クソッ!もうここまで出てきてるのか」

「先に向かった冒険者たちはどうなっているんだ⁉︎」


ゴブリンが馬車を強襲したからである。


「狼狽えるな!たかがゴブリンだ!全員、相打ちを防ぐために円形陣で周囲のゴブリンを掃討しながらプレフォロン大森林へ向かうぞ!」


ヴェルミリアの喝によって冒険者たちの動揺は抑えられ、先ほどまで馬車の中で話し合っていた円形陣の形をとる。


「外側の前衛は厳しいかもしれないがゴブリンの侵入を抑えてくれ!内側にいる後衛は攻撃と前衛への支援を適宜行え!」


「「了解!」」

「「わかった!」」


ヴェルミリアの指示のもと冒険者の仕事が始まった。


-------------


「『()(はら)い』」

「『二連閃(にれんせん)』」


「気力の消費が多い技能はここぞという時以外使用するな!本番でもたなくなるぞ!」


ヴェルミリアが声を張り上げる。


「ぐわぁ!・・・「『光系統単体回復魔術(ヒール)』」─助かった!」


鋼の長剣を持った冒険者の男を『光系統単体回復魔術(ヒール)』で回復したアメリはヴェルミリアに提案する。


「ヴェルミリアさん。『水系統竜巻系魔術(ウォーターハリケーン)』でゴブリンを一掃してもいいですか?」


「魔力を温存しろ、と言いたいところだが...魔力の消費が少ない魔術では効率が悪いか?なんにしてもこのままでは魔力を使い切って押し切られてしまうな。わかった。『水系統竜巻系魔術(ウォーターハリケーン)』を使ってくれ。ただし、打つタイミングと場所は指示するがいいな?」


「はい!」


ヴェルミリアとアメリの意見が合い、アメリは『水系統竜巻系魔術(ウォーターハリケーン)』をいつでも撃てるように意識を研ぎ澄ませる。


「総員、アメリの『水系統竜巻系魔術(ウォーターハリケーン)』の後、全速力でプレフォロン大森林付近の合流地点まで移動するぞ!」


「「「おう!」」」


ヴェルミリアの指示を聞きながらも前衛はゴブリンを討伐していきながら、ジリジリとプレフォロン大森林へ近づいて行く。


大量のゴブリンが密集している場所を見つけたヴェルミリアは、唐突にアメリを肩車した。


「きゃあ」


突然の事で驚くアメリだが、


「アメリ!この方向に密集しているゴブリンの集団が見えるな!そこに向かって『水系統竜巻系魔術(ウォーターハリケーン)』を放て!」


「は、はい!『水系統竜巻系魔術(ウォーターハリケーン)』」


アメリはヴェルミリアの指示のもと『水系統竜巻系魔術(ウォーターハリケーン)』を放つ。


「総員!プレフォロン大森林まで全速力だ!」


ヴェルミリアが指示をし、冒険者たちは全速力でプレフォロン大森林に向かって走り出した。


「置き土産だぜ!『炎系統壁系魔術(ファイアーウォール)』」


ファシールは後ろから追ってくるゴブリンに向かって『炎系統壁系魔術(ファイアーウォール)』を放ち、追跡を妨害した。


-------------


「よし!ゴブリンどもの姿は見えなくなったな。ここからは徒歩で移動する」


プレフォロン大森林付近の合流地点までの道中にゴブリンの襲撃はあったが、先ほどの規模ではなく、ハイゴブリン1体とゴブリン4〜5体の集団であった。


「なあ、アメリ。さっきのゴブリンおかしくなかった?」


「そうね。普通、あんなに仲間が倒されていったら逃げるゴブリンがいてもいいはずなのに、1体も逃げ出さなかったわね」


「それどころかアイツら、俺の『炎系統壁系魔術(ファイアーウォール)』の中に突っ込んで来てまで攻撃しようといてたぜ」


「それは本当か?」


ファシールとアメリが会話をしながら移動していると、ヴェルミリアが会話に入ってきた。


「ああ、アイツら恐怖心を忘れたんじゃないかってくらいにな」


「それが本当だとすると...ゴブリン・ロード級以上のゴブリンが出たって話により信憑生が増したな」


話をしながら歩いていると、先行している冒険者との合流地点に到着した。

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