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傲慢な英雄の書  作者: ヴェルク・メイカー
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Part16 依頼完了

ファシールとアメリはプレフォロン大森林を探索しながらゴブリンを屠っていた。


たまにハイゴブリンに率いられたゴブリンのチームとの戦闘になったりもしたが、これまで数えきれないほどのゴブリンとの戦闘を経験してきた二人は場所が変わったくらいでは苦戦せずに瞬殺していた。


こうして二人はゴブリンやその進化系を50体ほど倒しいった。


「これで50体目くらいか?」


「えぇ、キリがいいし今回はこれくらいでいいかしら」


「おう!」


二人はプレフォロン大森林から領都サリオンに戻るために、森の出口の方へ移動を開始した。


「さっさと帰ってうまい飯でも食いたいぜ」


ファシールは昼に食べた干し肉の味を思い出したのか、少しげんなりとする。


「それにしても、移動中に目印をつけておいてよかったわね。これがないと、数日はこの森の中をさまよっていた気がするわ。情報収集様々ね」


アメリはプレフォロン大森林で遭難することを想像し、情報収集を行うことの大切さを再確認したのだった。


-------------


「あぁ〜ケツがいてぇ〜」


そう言いながらファシールは馬車から降りて、体をほぐす。


「だから馬車では寝ずに、時々体を伸ばした方がいいって言ったでしょ」


馬車の中で爆睡をきめたファシールとは違い、アメリは馬車の中でたまに体を伸ばして、馬車での疲労を軽減していた。


その後、二人は軽口を叩き合いながら冒険者ギルドへ足を運んだ。


-------------


冒険者ギルドの周りは、冒険者試験を受けた時とは違い、多くの人でにぎわっていた。


「なんか、人がめっちゃ多いな」


「そうね。冒険者試験を受けた時はお昼前くらいだったから、これが本来の数なんじゃないかしら」


二人はそう会話しながら冒険者ギルド内へと入っていく。


朝と同じようにアリシアのいるであろう受付へと足を運ぶ。


「お二人とも、お疲れ様でした」


そう言って、受付にいたアリシアは二人を労う。


「早速ですが、完了した依頼があれば報告してください」


「達成しているのでしょう?」とでも言いたげな態度のアリシアは二人に報告を促す。


「おうよ!ゴブリン50体分の魔石と」

「5束分のメフォディレ草です」


それぞれがバックから依頼の品を納品する。


「おぉ、すごいですね。ゴブリンの魔石とは違う...ハイゴブリンの魔石も含まれていますね。それに、こちらのメフォディレ草は根っこから全て綺麗に採取するのは難しいですのに、全て完璧な状態で採取されていますね」


そう言いアリシアは二人を称賛する。


「こちらを全て鑑定班へ。下位の素材のみですが」


そう言ってアリシアは別のギルド職員に魔石とメフォディレ草を渡す。


「こちらを全て鑑定して、適正な価格で買い取るために少しお時間をいただきますね」


ギルド職員に渡した後、そう言うアリシアの顔は少し緩んでいた。


「ところでファシールさん...鑑定している間に私と模擬戦でもいかがですか?」


アリシアがファシールを模擬戦に誘う。


「いいぜ!」


魔石とメフォディレ草の鑑定をしている間にファシールとアリシアは模擬戦をし、アメリは魔法の練習がてら一回100フランツという料金で冒険者に『光系統単体回復魔術(ヒール)』をしていた。


-------------


「鑑定が終わった」と報告された三人は受付まで戻った。


「では、どちらの依頼もきちんと達成されていたということで───おめでとうございます。こちらは、ゴブリン44体分の魔石で22,000フランツ、ハイゴブリン六6体分の魔石で4,500フランツ、メフォディレ草5束で12,500フランツ、合計で39,000フランツです」


アリシアはファシールとアメリにそれぞれの依頼分のお金を渡す。


「サンキュー」

「ありがとうございます」


二人はアリシアにお礼を言う。


「いえいえ、繁殖力の高いゴブリンの間引きと、下位ポーションの素材のメフォディレ草の採取と言う依頼は重要なのですが、あまり受けてくれる人がおらず...ギルドも受けろと強制することもできなくて大変だったので。お二人が依頼を受けてくれて大変助かりました」


そう言ったアリシアは二人に頭を下げる。慌てて二人は頭を上げるようアリシアに言う。


こうして、二人の初めての依頼は達成された。

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