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傲慢な英雄の書  作者: ヴェルク・メイカー
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Part10 冒険者試験の受付

ファシールとアメリは悪人顔の巨漢が指し示した受付に話しかける。


「すみません。冒険者になるための試験を受けたいんですけど」


「わかりました。『真偽官(しんぎかん)』様の紹介状の提出、または銀貨1枚の支払いが必要になりますが」


「はいは〜い!『真偽官(しんぎかん)』の紹介状を持ってま〜す」


ファシールが元気に紹介状を受付嬢に見せつける。


「はい。確認させてもらいますね」


ファシールが紹介状を手渡すのと同時に、アメリも紹介状を渡す。


受付嬢は受け取った紹介状を確認し、


「はい。確かに『真偽官(しんぎかん)』様の紹介状ですね。では、こちらの紙に自身の名前と、得意なことや苦手なことを書いてください。もし、字が書けないのであれば私が代筆しますのでおっしゃってください」


そう言いながら、受付嬢は二人に紙を手渡した。


ファシールは紙をもらってから一分ほど字を書こうとしたが、


「アメリ〜、俺のやつも書いてくれよ〜」


諦めて、アメリに丸投げしようとした。


「いやよ。ちゃんと字の練習しなかったファシールが悪いんでしょ!ヴェルクにでも書いてもらいなさい!」


「えっ俺?」


目を閉じて考え事をしていたヴェルクは会話の話題になったので考え事をやめ、二人の方を見る、


そこには、ファシールがヴェルクに紙を見せながら「おねが〜い」とでも言いたいような顔でヴェルクを見ていた。


「はぁ〜〜〜」


ヴェルクは大きなため息をつきながらも、ファシールに「羽ペンと紙を寄越せ」と言うようなジェスチャーをした。


ファシールはラッキーと呟き、ヴェルクに羽ペンと紙を手渡す。


ヴェルクがファシールに質問していき、ファシールの答えを紙に記入していった。


「ほら、できたぞ。ファシール」


ヴェルクは紙をファシールに渡し、間違いがないかの確認させる。


───────────────


名前:ファシール


年齢:15


得意なこと:槍,(ほのお)属性魔術(ぞくせいまじゅつ)


苦手なこと:字を書くこと,計算


───────────────


確認し終わったファシールはアメリが記入した紙を覗き見る。


───────────────


名前:アメリ


年齢:15


得意なこと:(みず)属性魔術(ぞくせいまじゅつ),(ひかり)属性魔術(ぞくせいまじゅつ)


苦手なこと:近接戦闘,虫


───────────────


「おいおい...お前、近接戦かなり強いだろ。嘘書くなよ」


「ちょっと!勝手に見ないでよ!」


後ろからファシールの声がしたことに内心驚きつつも、アメリはファシールが覗き見たことに苦言を呈す。


「いいじゃんか。ちょっとくらい」


ファシールはアメリからの苦情をサラッと流しながらも受付嬢に紙を提出した。アメリはファシールを少し睨むもののファシールに続いて受付嬢に紙を提出する。


「ありがとうございます。次に得意分野がどれだけのレベルなのかを見せてもらうために訓練場まで移動しますが、時間の方は大丈夫ですか?もし、時間的に厳しいと言うのであれば、翌日以降に変更することもできますが...」


「大丈夫、すぐにいけますよ。ね、ファシール?」


アメリは受付嬢に答えながらファシールに圧をかける。先ほどのことをまだ根に持っているらしい。


「おう!俺も大丈夫だぜ!」


アメリの圧に気づくこともなく、ファシールは元気に返事をする。


「じゃ、俺はそこら辺でのんびりしてるから」


ヴェルクは「がんばれよ〜」と言いながら冒険者ギルドから出ていった。


ヴェルクを見送ったあと、二人は受付嬢に連れられて訓練場に足を踏み入れる。


訓練場の壁際に到着すると、受付嬢は振り返り、


「では、冒険者試験を始めます」


冒険者試験が開始した。

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