86話 救難
私は牛乳を搾りに行った、牛乳瓶が底を尽きようとしてるからね。
「ギューッ……ギューッ」
横ではクイネルが見ていた。
「これって、牛?」
「そうだけど、どうかしたの?」
「初めて見たんだよ、こんな大人しそうなのが、牛なんだね」
「そっちの牛ってどういう奴なんだよ」
「ミノタウロスだね」
そして私の目の前に白い矢が突き刺さった。
「……危ないわね、クイネルがやったの?」
「いいや、弓無しで放てないよ」
矢には手紙が括り付けられていた。
「果たし状じゃないよね」
私はその手紙を見た、それには、リチャードという多分あの舐められてばっかりの人からだった。
「どれどれ?今は病院にいる、話はあとでしよう、今は話せない……どういう事なんだ?」
「その人って、知り合いなの?」
「ちょっとだけ曲者、そして知り合い」
私は徒歩であの国に向かった。
「しかし、ここから遠いんだよなぁ」
歩いていると異様に歌いたくなってきた。
「何を歌おうかな……」
「童謡はどう?」
「いいや、やめた、体力がちょっと持たないかもしれないからね」
「やーい、体力ざぁこ」
楽しく歩いたおかげで数時間であの国にたどり着いた。
「さて、どこにいるのかなぁ~」
私は明らかに病院の建物に入っていった。
「おっと、警備が厳重だね」
「どうかしましたか」
警備をしていた人は、あの時、私を逃がしてくれた女免疫0の人だった。
「これを受け取ったんだ、通してくれ」
「どれどれ……国王がこんなマメだとはな」
「そういえば、まだあの人についてるのね」
「ああ、国王は一応欲を捨てたからな、もういいんだ」
そして私はその人に会いに行った。
「どーも、どうしたんだ?」
目の前にいる人は明らかに元気が無かった。
「名前で呼べよ……」
「だって名前知らないからねー」
「リチャードだ、それで、この傷、見てくれるか」
リチャードさんは腹を見せてきた。
「それ、女二人に見せる事?」
「おっと、そうだったな、てっきり一人、男の娘、一人女かと思っていた」
どうやらその男の娘はクイネルの事だった。




