プロローグ
心配の声が聞こえてきたらアレなんですけど、大丈夫です、死んでないこと以外はベストコンディションなので。
私は風沖一花、25歳の中間管理職です、なぜこんな若いのに中間管理職になれるのと思いますが、私の会社が少し人員が少なく、その関係性で私の役職が自動的に上がっていってしまいます。変だなと思いますが、通常で16時間勤務なんてザラです、そして給料は8時間分しかもらえないです、どうして辞めないのかと思いますが、私にはここしかないのです、今更元には戻れないのですから。
「すいませんが、この資料、間違いがあるのですが、修正お願いします」
そして私は後輩を辞めない程度で指導をしているのです、どうしてです口調なのかと言いますと、新人教育の時、相手に対しては語尾にですをつけなさいと言われ、仕方なくですをつけることになったのです。洗脳されてると言われますが、奴隷根性全開の私には到底、聞こえないのです。
「この機械はどう操作するのですか?」
「これはね、このAと言うダイヤルを操作してメーターの針が赤い部分に触れないように調整するんだよ」
その時、一斉に機械のメーターの針が赤い部分に触れていた。
「まずい、後輩君!この部屋から出ていくのです!」
「わかりました!」
この状態、私には到底対処できるはずもなく、その機械からは爆炎があふれ出し、私の体は吹き飛ばされた。
「ん、あれ、痛くない」
その時、私の体は壁を貫通していて、感覚がなかった。
「それにしてもどうして体が浮いてるんだろう」
そう思った瞬間、私は下に向かって急降下していった。
「なんだ……?このまま地球の中心に向かっちゃうのかな」
そして地球の中心の近くのところだろうか、急に緑の地面が見えた。
「どえぇぇぇ!?!?」
反応が出来ずに背中から落ちてしまった、ふかふかな地面でなんとか命拾いしたけど、ここは何処なんだ?
「……ブラジルまで来たってことは無いよね」
歩けそうだから歩くけど、建物が無い、何かがおかしい。その時、私の背後に誰かがいた。
「見ない服だもん、それに見ない顔だもん、転生者だもん?」
後ろから声をかけてきたのは中性的だがどこか女の子のような雰囲気を纏っている子だった。
「転生者なんて、ここはファンタジーの世界じゃないし」
「私は人食いの魔族、名前を名乗っても私はあなたを食べちゃうもん、覚えても無駄だもん」
人食いか、いっそのこと、私を食べてほしいね、会社に居なきゃ、私はただのゴミです
「私の事、食べてもいいです、どうせ、ゴミなので」
「ゴミか、それって、あなたが思ってることだもん?」
「そうです」
「私は何人も転生者を見てきたもん、わが身可愛さに命乞いしてきたもん、でも、あなたは違うもん、それに、この語尾は堅苦しいからもうやめー」
そう言って、草むらに座った。
「いや、私はゴミなのです」
「堅苦しいなぁ……ならこれで催眠解けるのかな」
その時、足に激痛、この感じ、新人の頃に上司に受けた痛みと一緒だな。
「どうだ?解けたか?」
足からは血が出ている、このまま死んでもいいかな。
「解けてないのか、どうしたものか」
体が涼しくなる、これが、死なのかな。
「動かないじゃんか、生きてるかー?一応回復魔法をかけるけど、感謝はしないでね」
そして私の足は嘘みたいに再生をし、傷一つない足になった。
「ありがとうございます」
「だから感謝はしないでねと言った、分かるな?」
「いいえ、分かりません」
「だーもう、人の心を教えてやるからついてこい、いやでも連れて行く」
私の手を引いて森の中に入っていった。そこから私の凍った心が少しずつ融けていくような、色彩を取り戻そうとしていた。
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