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第七話 入学

翌日、支給された携帯に着信があった。課長からの呼び出しで、俺は警視庁にある公安対魔法犯罪課へと向かった。


「引っ越しやらで忙しいところ、すまんな。早速だが、君にはこの学校へ入学してもらうことになった」


山本課長は一枚の資料を手渡してきた。それは蒼葉魔法学園の入学案内だった。


「蒼葉魔法学園……」


「ああ、そうだ。君にはここで学生として潜入捜査を行ってもらう。最近、学園内で不審な動きがあってね。内部からの情報が必要なんだ」


俺は資料を見つめながら、山本課長の説明に耳を傾けた。


「了解しました。学園での活動は具体的にどのようなものですか?」


「君には表向きは一般の学生として振る舞ってもらう。その裏で、学園内の動向を探り、不審な動きを報告してほしい。君のバックアップには、機動隊の三班を待機させておく。万が一、武力行使が必要な事態になったら、彼らに任せればいい」


「それで、その不審な動きとは?」


山本課長は少し重い口調で続けた。


「学園内で闇影や過激派の学生による勧誘活動が活発化している。それに感化された学生たちが犯罪に手を染める兆候があるんだ。最近の事件もその影響と見ている。彼らの活動を内部から探り、必要に応じて阻止するのが君の任務だ」


「闇影や過激派の勧誘……。それは厄介ですね」


「ああ、そうだ。彼らのリーダーである黒崎夜叉が直接関与している可能性もある。彼らの目的は闇の魔法による世界の支配だ。我々はそれを絶対に阻止しなければならない」


翌月。


俺は蒼葉魔法学園の校門をくぐり、入学式に参加するために講堂へ向かった。校内は広々としており、近代的な建物と伝統的な建築が融合した美しいキャンパスが広がっている。期待と興奮に満ちた表情で行き交う生徒たち。そんな中、俺は一人、これから始まる任務に気を引き締めていた。


(学校なんて、何十年ぶりだろう…)


講堂に到着すると、新入生たちが既に集まっており、緊張した面持ちで式の開始を待っていた。俺もその中に紛れ込み、席につく。壇上には校長が立っており、開会の辞を述べる準備をしているようだった。


「新入生の皆さん、ようこそ蒼葉魔法学園へ」


校長の声が響き渡り、静まり返った講堂内に一層の緊張感が漂った。


「我々の学園は、長い歴史と伝統を持ち、数多くの優れた魔法使いを輩出してきました。ここで学ぶことは決して容易なことではありません。しかし、努力を惜しまず、魔法と向き合い、己を高めていくことで、必ずや素晴らしい成果を得ることでしょう」


校長の言葉に、新入生たちは一様に頷き、真剣な表情を浮かべていた。俺もまた、この学園での任務に対する決意を新たにした。


次に壇上に立ったのは、新入生代表の橘美月だ。彼女は成績優秀で入学試験ではトップの成績を収め、新入生代表に選ばれた。緊張しながらも、堂々とスピーチを始めた。


「新入生の皆さん、こんにちは。私は橘美月です。私たちがこの学園で学ぶ機会を得たことを誇りに思います。ここでの学びを通じて、自分自身を成長させ、魔法の力を正しく使って社会に貢献できる人間になりたいと思っています。皆さんと共に学び、成長していくことを楽しみにしています。」


美月のスピーチは、新入生たちの心に響き、一層の決意を胸に抱かせた。俺は美月が同じ学園に入学していることに驚きつつも、彼女が頼りになる存在であることに安堵した。


(まさか、美月もこの学園に入学していたのか……また事件に巻き込まれなければいいが。)

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