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あまりに使えないんで守護霊をチェンジしてもらっていいですか。  作者: 鳩野高嗣
第十二章 守護霊ハンター
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守護霊ハンター【Aパート】

この作品は『時代に取り残された』と感じている全ての方々に捧げます。

「おっかしいにゃあ。」


 今日の配達を終え、国道254号線を川越方面に走る健悟(けんご)の7(トン)ユニックの後部座席に座り、精神感応通信を送り続けていた絵麗(えれ)が首を(かし)げた。


「どうしたんだ?」


 気になった健悟が滅多に使わないセンターミラーをチラ見して(たず)ねた。


「昨日っから対華(たいげ)のヤツが連絡に応じないんだよねん。

 一昨日(おととい)は『京都で高レベルの(あやかし)を退治したッ』なんて自慢してたのに。」


「ぶ、無事だといいんです、けど‥‥。」


「まっ、『便りがないのは良い便り』って昔っから言うじゃねぇか。大丈夫(だいじ)大丈夫(だいじ)。」


 真雨(まさめ)が心配そうな舞亜(まいあ)に気遣いを見せた。


「頼りないのは良い守護霊とは言えねぇけどな。」


「あんだと、健悟! その頼りない守護霊様に何度助けられたと思ってんだ、テメェは!?」


「おや、自覚はあるんだ、頼りないって。」


「うぐぅ~~っ!」


「ま、まあまあ、ふ、二人とも、お、落ち着い、て。どうどう。」


「俺らは牛馬かっ!?」

「アタシらは牛馬かっ!?」


 なだめる舞亜に健悟と真雨がユニゾンでツッコミを入れた。

 その直後だった。健悟のスマートフォンに『マキシマム・フィーバーG』のオープニングテーマの着メロが鳴る。

 条件反射的にイヤホン型のハンズフリー機器を装着し、電話に出る健悟。


「はい、飯綱(いづな)です。」


「こんにちは、鷹端(たかはた)瑞希(みずき)神療内科の山田です。

 今、お時間大丈夫でしょうか?」


「ええ、まあ。

 ‥‥何かあったんですか?」


「実は先程、貴緒音(きおね)さんが一人で参られて‥‥。」


「えっ、貴緒音(きおね)さんが?」


「健悟、スピーカーをオンにしろ!」


「ああ。

 ――でも、ここじゃ、お前の声だけ(・・)は山田さんには聞こえねぇぞ?」


「わかってるよ、ンな事。とっととオンにしやがれってんだ、バホマトン。」


「へいへい。」


 健悟は真雨に言われた通りに操作した。


「それで山田さん、貴緒音(きおね)さんが病院に見えたって、どんな状況なんですか?」


「それが、かなりボロボロな状態で‥‥。

 幸い、彼女の命には別状はなかったのですが‥‥。」


「まさか、阿虎(あとら)のおやっさんと対華は‥‥?」


 絵麗が口を左手で隠しながら山田に(たず)ねる。


「飯綱さん、お仕事中ですよね? 病院に来られた時にお話しします。」


「あの山田さん、それ、気の遣い方、間違えていますよ?

 かえって気になりますって。」


「そうですか?

 ――それじゃあ、今、伝えますけど‥‥阿虎さんと対華さんは守護霊ハンターによって消滅させられたそうです。」


 車内に衝撃が走った。

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