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あまりに使えないんで守護霊をチェンジしてもらっていいですか。  作者: 鳩野高嗣
第十一章 迫りくる危機
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迫りくる危機【Bパート】

 コンコンコン。


「失礼します、飯綱(いづな)です。」


 健悟(けんご)は診察室のドアを開けた。


「えっ!?」


 中に入った二人は目に飛び込んで来た光景に驚愕した。

 瑞希(みずき)を中心に据え、扇状に様々な扮装をした人物が立っていた。


「これは一体‥‥?」


 健悟が瑞希に問う。


「面食らったでしょうから、先にこの五人を説明させてもらいます。

 五人はフリーランスの守護霊の中で国内最強レベルの猛者たちです。

 あなたから向かって左側から、貴緒音(きおね)阿虎(あとら)絵麗(えれ)舞亜(まいあ)対華(たいげ)。」


 このうち、阿虎を除く四人は女性だった。


「我ら(すばる)六将、最大級の危機に馳せ参じ申した。」


 古参の風格漂う大鎧を身に纏った白髭の大男、阿虎が状況を説明した。


「六将って、五人しかいねぇじゃねぇか。」


 真雨(まさめ)がすかさずツッコミを入れると、


「あ、あの‥‥将の一人、芽楼(めろ)は先日、しょ、消滅しまし、た‥‥。」


 卒業袴の矢絣(やすがり)を着た舞亜が顔をくいっと左横に向けて悔しそうに告げた。


「消滅?」


 穏やかな話ではなさそうな展開をひしひしと感じる健悟。


「いつまでもメソメソするなッ、舞亜ッ!」


 叱咤したのは第二次大戦中の陸軍将校の軍装をした対華だ。

 短髪で切れ長の目つき、いかにも気が強そうなルックスだが――


(何故に軍服?)


 ジェンダーレス化が進む昨今、このツッコミはナシだろうと思う健悟。


「まあまあ対華ちゃん、仲ようせなあかんで。」


 おっとりとした関西弁を使うのは白拍子の恰好をした貴緒音だ。


「貴緒音が甘やかすから舞亜はいつまで経っても女の腐ったの(・・・・・・)みたいな性格なのだッ!」


 言っちゃったよ、この守護霊は。ゲームではCERО(セロ)倫理に引っ掛かる言葉を堂々と。


「それよか、こっちのおじちゃん?と守護霊ちゃん?は誰なんよ、瑞希ちゃん。」


 エンジ色の昭和中学ジャージを着ている絵麗が話をぶった切って質問を投げ掛けてきた。

 髪の色はピンクで往年のアーケードゲーム『ファンタジーゾーン』の5面のボスみたいな巻き毛を左右に付けている。

 それはともかくとして、だ。


(真雨に疑問符を付けるのは妥当だが、自分にも付けられると『お年寄り』と呼ばれているようで超イヤなんだけど!)


「絵麗さん、こちらが先程お話させて頂いた飯綱健悟さんと、その元守護霊の今際乃(いまわの)真雨(まさめ)です。」


「ちょーっと待て、何で健悟がさん付けでアタシが呼び捨てあんだよ!?」


「飯綱さんはお金を払ってくれるお客様ですから。」


「うぐぅ‥‥。」


「さて、キャラクター紹介が終わったところで本題に入らせて頂きますよ、飯綱さん。」


 キャラクター紹介って何だよと思いつつも健悟は、


「――はい。」


 瑞希に対して返答した。

 返答しないと話が先に進まない気がしたというのが大きな理由だ。


「実は最近になって『守護霊ハンター』と名乗る(やから)が現れて、高いレベルの守護霊を消滅させては断ち切り道具(アイテム)をドロップとして持ち帰るという悪質な事件が起こっています。

 守護霊不在の肉体には地縛霊、動物霊が()りつき放題。その対処に、ここにも多くの患者さんが日々訪れています。」


鷹端(たかはた)先生、高いレベルって大体どれくらいからなのですか?」


「守護霊を初めて任されるレベルは15からが相場です。

 一般的に高いとされているのは、そうですね、レベル256以上といったところでしょうか。」


「ちなみに我は950、この中で一番低い舞亜でも919のレベルでござる。」


 阿虎が自慢気に説明を補足した。


「あの‥‥なら、俺たちには無縁の話ですね。

 こいつは、やっとこないだレベルが二桁行ったところですし。」


 健悟が真雨を指さして答える。


「ムキャキィーッ! アタシだって日々レベルを稼いでんだかんな!」


「真雨ちゃん、レベル稼いでるって、どうやって稼いでんのかにゃ?」


 絵麗が真雨に近付き(たず)ねてきた。


「そりゃあ、悪霊なんかを退治してだなぁ。」


「ブッブー! 守護霊としちゃあ、いっちゃん効率の悪いレベル稼ぎの仕方だよん、それ。」


「ええっ!? そうなんか!?」


 絵麗の言葉に驚く真雨。


「‥‥介助職員初任者研修でも教わった思いますけど、悪縁断ち切って良縁を人間が選ばはった時、ドドーンとポイントが入りますねん。」


 貴緒音が気の毒そうに解説した。


「アタシ、授業中、ほとんど寝てたから。にゃはは。」


 守護霊も確かに眠る。が、それは悪霊などとの戦闘で大きく疲弊(ひへい)した時だけだ。

 真雨にとって授業とは、それに匹敵するまでの疲弊をもたらすものなのだろう。

 やはり、こいつは落ちこぼ霊だと健悟は確信した。

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