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あまりに使えないんで守護霊をチェンジしてもらっていいですか。  作者: 鳩野高嗣
第六章 アイドルオーラ
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アイドルオーラ【Cパート】

「いいか、そこのアイドルのなり掛け。耳の穴をかっぽじってよく聞きやがれ。

 テメェはテメェの仲間っからアイドルのオーラを吸収してんだぞ!」


 真雨(まさめ)は左手の人差し指をケイにビシッと突き付けて状況を説明した。


「いいじゃないですかぁ。

 あの中に全国区になれるような()、いると思いますぅ?

 いないですよねぇ、(えにし)が見えるお姉さんならわかるはずです☆」


 全く動じないケイは更に言葉を続ける。


「だったら仲間である私にぃ、例えわずかだったとしてもアイドルオーラを献上してぇ、『あの()と一緒にアイドルをやっていた頃があったなぁ~』なんて想い出話が出来た方が幸せですよねぇ☆」


 パーンッ!


 ケイの左頬に衝撃を与えた健悟の平手打ち。

 その音が辺り一面の空気を(つんざ)いた。

 その光景に凍り付く藤瓦(ふじがわら)や他のアイドルたち。


「ちょ、ちょっと飯綱(いづな)さん、何をっ!?」


 慌てて駆け寄る藤瓦。


「(真雨、後は任せた。)」


「言われなくたって、やってやんよ!」


 ニッと笑った真雨が左手の親指を立てる。


「どうしてもウチらと闘う気なのですね。」


 そう言うと百合(ゆり)は、(ゆう)に三メートルはあろうかという白蛇の姿に、青い小鳥は五十センチサイズの蚊のような(あやかし)に姿を変貌させる。

 その姿に驚愕(きょうがく)したケイは絶叫を上げた後、気絶した。


「藤瓦さん、すみませんがその()の看護をお願いします。」


 健悟の言葉と真剣な面持ちに、


「えっ? あ、はい。」


 藤瓦は素直に従い、お姫様抱っこで取り敢えずシアターへ運んだ。



「やっと本性を現したか、動物霊と(あやかし)

 ――んじゃ、行くよっ!」


 真雨お得意の鼻毛切り(ばさみ)を突き出しての突進戦法を繰り出す。

 ――が、白蛇の尾が(むち)のように(しな)り真雨に襲い掛かる。


 バシッ!


「ほべばぁっ!」


 ドガッ!


 真雨の身体(からだ)はいつものように弾き飛ばされ、2(トン)車に勢いよく激突する。

 そして、その(ひる)んだ隙を狙い澄ましたかのように、


「キシャシャシャ!」


 蚊の妖が奇声を発しながら鋭い針状の口を向けて突進してくる。


「させるかっつーの!」


 真雨は紙一重で(かわ)すと、針状の口はタイヤに突き刺さりそれをバーストさせた。

 必死に口を抜こうと足掻く蚊の妖。


残糸(ざんし)、断ち切る!」


 パチッ!


 鼻毛切り鋏で、この世と蚊の妖の命を(つな)ぐ糸を断ち切る真雨。


「キシャーッ!」


 刹那、蚊の妖は断末魔の声を上げて消滅した。


「よくもピーちゃんを! 許しませんよ!」


 白蛇はそう言うとアスファルトの中へ姿を隠した。


「どうです? これなら残糸は見えないでしょう?」


「くっそ、考えたな。」


 と、次の瞬間、地中から現れた白蛇は真雨の身体(からだ)に勢いよく巻き付く。


「痛いですかぁ? 闘いはお好きでいらっしゃいますかぁ?

 死ぬのは怖いですかぁ? 何か仰ってください。」


 白蛇が締め付けながらインタビュアーのように問い掛ける。


「ぐあーっ! チキショウ‥‥。」


 真雨は必死に鼻毛切り鋏で残糸(ざんし)を切ろうとする。

 しかし、どう頑張ってもこの道具(アイテム)では切れそうにない。


「真雨ーっ!」


 健悟も2(トン)車に積んであった長いバールを持ち出し、白蛇の身体(からだ)に殴り掛かるが、空振りするだけだった。


「無駄ですよ、人間。あなたの物理攻撃は当たりません。」


 と、その時だった。


 チャラリラッパー、チャラリラッパー、ラッパッパー♪


 突然、8ビットゲーム機のレベルアップ音のようなМEミュージックエフェクトが流れた。


「真雨の守護霊レベルが2になりました!」


 そして天からのメタ音声(ヴォイス)が聞こえてきた。

 どうやら蚊の妖を消滅させたのが功を奏したらしい。


「!? これは!」


 右手に持っていた鼻毛切り鋏が光を放つ。


「おおっ、これはもしかして、切れ味が増す道具(アイテム)になるんじゃねぇか!?」


 健悟が期待の声を上げる。

 どんな道具(アイテム)なのかは、現状では神のみぞ知るといったところだろう。


 やがて、光が収まり、新しい道具(アイテム)が姿を現した。

 ――が、それは紙やすりだった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 百合のインタビュワーのセリフがスネークマンショー なのも意味が深くていいですね。
[良い点] とにかく展開がスピーディーでいいですね。 ストーリーも面白いし、キャラクターもユニークです。
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