第7話 公爵令嬢の思惑
※下品な表現があります。
「イザベル様――メロディのお茶会。来て下さい!とっても面白い催しものがあるの~イザベル様もきっと気に入ると思いますー招待状ですーメロディ頑張って書いちゃいましたー」
メロディが、側近たちと、学園のサロンでお茶会をしている公爵令嬢の席に、天真爛漫さを発揮して飛び込み営業をした。両手で招待状を差し出し、頭を下げて大声で話しかけた。
イザベルは扇で口を隠しながらも不機嫌さは隠しきれない。
「・・・・メロディ様とやら、高位の者に、話しかけるには、許可が必要よ。マナーは習わなかったのかしら。貴女は何クラスなの?面識がないのだけれども、ファーストネームで呼ぶ許可は出したかしら」
チ、まただ、私の魅力は、低位の貴族にしか通用しない。一番位の高い奴が、ニコライの伯爵家とは笑っちゃうわ。しかも二男。
こいつ、意地悪そうだし、私たちのシャロイジメの場に混ぜれば喜んで、イジメに参加するに違いない。
イザベルが、側近に目配せをする。
側近は、ワザワザ手袋をはめて、メロディの招待状を受け取る。一応、中身は確認するようだ。
イザベルは招待状を手に取らずに見ながら
「まあ、三日後?不躾な。最低2週間前ですわ。スペンサー家なの、貴女が、伯爵家に潜り込んだ平民の娘ね・・それに、これはシャーロット様の字でなくって?」
何だと、この悪役令嬢、私がスペンサー家の跡取り娘になったら、チ、公爵家だから、何も出来ない。
イザベルは扇で口元を隠しながら、思案する・・・
その時、シャーロットが、そそくさと、申訳なさそうに登場した。
「アレクサンドル公爵令嬢様・・私の義妹が大変失礼しました・・メロディ行きましょう」
イザベルは扇をパタンと閉じて、満面の笑みを魅せる。
「イザベルで良いわ。同じAクラスですわ」
メロディは
「おお、お、義姉様―――これは違うの、ヒィ、叩かないで下さい。イザベル様と仲良くないたくてーーー」
とうずくまる。
イザベルと側近たちは、全く興味を示さない。
「貴女も大変ね・・ところで、今度、夜会を開くの。来て下さらないかしら。パートナー同伴ですわ。私の従兄弟、ウィリアムはパートナーがいなくて困っていますの。貴女なら喜んでドレスと装飾品を贈りますわ」
ウィリアムは第二王子だ。
「義姉様~私を叩かないで~」
メロディは喚いている。
ニコライがやって来た。
「メロディどうした!また、イジメられたのか?イザベル様とシャーロットが一緒になって、平民だからと酷くないですか?」
と抗議するが、全く無視をされた。
シャーロットは悲しそうな目をして、ニコライを見ながら
「・・・それは・・私には婚約者がおります・・」
と申訳なさそうに拒絶をする。
「そうね。早すぎたわね。さあ、皆様、行きましょう。シャーロット様も、一緒に、一人になると、悪い虫が、刺すかもしれないわ」
さあと側近たちが、シャーロットを隠しながら、馬車止めまで、共に行く。
・・・我国は、大国とは言えない。かといって小国でもない国力、連合を組まなければ帝国に対抗できないわ。だから、貴族、上級将校は、情報分析にたけていなくてはならない。だからマックスは黒髪の精霊の怒りをかい右手を失った。ニコライは論外ですわ。
シャーロット様には何か加護が付いている。それがわからない貴族はふるいにかける。
シャーロット様は清楚で思慮深い。謀略抜きで、付き合いたいわ。
ウィリアムも加護無しでも選んだに違いないですわ。
派閥に引き込みたい。すぐにナンバーツーにして差し上げますのに。
イザベルが、扇で隠しながら、小声でシャーロットにささやく。
このさい。側近は、輪を作って、外に聞こえないようにするのがイザベルの側近の役目。
「シャーロット様、もし、宜しかったら、当家の暗〇専門のカゲを・・あら、必要なかったわね」
イザベルの視線の前には、黒髪、黒目の民族、御者のヤマダとメイドのミヤがいた。
恭しく主人を待っていた。
「では、イザベル様、失礼します」
そそくさと魔道自動車に向かうシャーロットを見送りながら、ミヤはイザベルに近づく。
「ミヤ様ですね。イセ国から、1の姫殿が・・加護に付いてらっしゃいますの?」
「イザベル様、加護を受けているのは私たちの方でございます」
「まあ」
イザベルは思わず小さく声をあげた。
情報を読み違えた?シャーロット様の情報の分析を洗い直さなければならないわね。
分析結果次第で、シャーロット様はこの国で、陛下と並ぶ最重要人物になるかも・・・
「これを、生徒会の会計の方にお渡し下さい。2つございます。もう一つは、イザベル様がお試し下さい。我国の計算機でございます。太陽の光が魔石代わりになります」
まるで、賄賂を渡すような雰囲気で手渡した。
・・シャーロット様がイセ国に加護を与えている?
わざわざ告げるということは屋敷の外の悪意から、シャーロット様を守れということね。
いっそのこと、ニコライを、家ごと、謀殺した方がいいのかしら。
いえ、まだ、シャーロット様はニコライに未練があるようね。
殺すのは早計だわ。
「イザベル様」
と側近が声を掛けるまで、立ったまま思案にくれていた。
・・
「グスン、グスン、グスン」
「メロディ、僕はもう許せないよ。今月のシャーロットとのお茶会は、先触れ無しですっぽかしてやる!メロディの部屋で過ごすのさ。あいつを悔しがらせてやる!」
「グスン、グスン、違くて~私が悪いの~」
チ、また、サルのように盛ってやがる、太ももにアレを挟んでヤルのが、そんなに気に入ったって?今のコレクションで、一番位の高いのはニコライだからいいわ。マックスは剣術の練習中に怪我とか。大事な時にいないし~ないわ~
全く悪いのは、メロディだが、ニコライは、シャーロットのおかげで命拾いしていることは気が付かない。
最後までお読み頂き有難うございました。




