表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

14/18

第14話 不敬を働く使用人に天誅




※お食事中の方には、ちょっとな表現があります。ご注意下さい。

☆一月前、ミヤがスペンサー家に来たころ


「おい、見ろよ。また、地味令嬢のメイドがメシを運んでいるぜ」


「おっと、足が滑った!」

ガチャン


「アッ」


「おっとつまずいたぜ」


「キャア-」


使用人が運んできた食事の中に、Gが入っていた事件があってから、アンが作り運ぶものしかシャーロットは食べられなくなっていた。

しかも、使用人が意地悪をするので、よく欠食する。


その現場をジィと見ている黒髪、青みがかった目をしたメイドが見ていた。ミヤだ。


「シャーロット様のトラウマを取り除かなくてはならないわね・・・使用人誅殺をする計画も一緒に・・」


シャーロット様は、センパイの作ったご飯しか食べれなくなった。美味しそうに食べて、微笑ましいけど歪んでいるわね。とにかく、別館を急いで作らなければ・・・



☆お茶会事件の後



「しかしよ。あのお茶会で給仕した奴ら、5人が病死で、他は全員退職って何が起きたのかな?」

「さあ、旦那様と奥様とメロディ様は、お部屋に籠もって、出てこない。お食事もお運びしている状態だ。きっと、地味令嬢が、何か呪いでもしたと思うぜ」

「まさか!」


・・・・


「あれ、料理長、うちらの賄いは?」

「大変だ。どこも食材を売ってくれない!」


「「「何?」」」


☆☆☆街


「売れないよ。あんたらに売ると、ごろつ、いや、強そうな兄ちゃんたちが抗議にくる。あんたらに売るよりも高い値段で買ってくれる。それに・・」


店主が空き地の方を指さすと、子供たちが集まって、熱心に紙芝居を見ていた。


「食べ物を粗末にする使用人どもめ。このシャルが許さないわ!

ヒエ~お助けよと、ゴロツキ使用人どもは逃げて行った!

さあ、お嬢様の大勝利です。塩で厄払いをしましょう!とセンパイが塩を撒きましたとさ。めでたし!めでたし!」


ワワアアアアアアア!パチパチ


「ねえ、おじちゃん。なんでセンパイは塩を撒いたの?」

「さあ、異国の風習らしいね」



・・

「何だ、あれ、あの絵は、上手いけど、微妙に崩れた絵だ。しかも、あの悪役の使用人、俺たちと同じ制服をきているぞ!」

「畜生、売ってくれるところを探すぞ!」



やっと、10キロ先の鉱山町のスナックを売る屋台は、売ってくれた。


「はあ、はあ、これじゃ腹が持たねえよ」

「旦那様と奥様は頼りにならないし、どうしたらいい」


「おい、見ろ。あの地味令嬢、自分だけ食べているぞ!」


ガーデンで、バーベキューパーティーが行われていた。

ミヤが海鮮、野菜、お肉を焼き。シャーロットとセンパイに振る舞っていた。



「ワー美味しい」

「パンもフワフワ・・」


(フフフ、こうして、目の前で焼くと食べてくれるようになったわね)


「お嬢様、センパイ、いっぱいあります。慌てず食べて下さいね」


「でも、こんなに食べられないよ・・」

「ご心配なく、手を付けなかったものは孤児院に贈ります」


「孤児院で出来ないかな。いや、孤児とシスターをこちらに、お招きすれば」


(フフフ、孤児院の子供たちを招くなんてシャーロット様らしいアイデアです)




・・・

使用人たちが、抗議するために集まってきた。


「おい、お嬢様、自分だけ食べて、酷くないですか?俺たちはこんなに腹を空かせているのに!」

「「「そうだ。そうだ」」」


ミヤが立ち塞がり、盾になろうとしたとき、シャーロットは、ミヤを手で制した。


「ミヤ、これは、私が言わなければならないこと。余計な手出しは・・しないで、だけど・・・・支えてね」


「はい、大変失礼しました」

(何と立派になられたのか・・・昔にお戻りになられている。グスン)


「何だ、あのメイド、泣いてる」



☆数年前


私たちの一族は、昔、スベンサー家直系を守る盟約を結んだ。それは決して破ってはいけないこと。

ある日、父に連れられて、スペンサー領に来た。

しかし、現地人の生活に興味を持ち。妹と一緒に、外に冒険に出た。


しかし、迷子になってしまった。



「お、黒髪に黒目、お前ら、魔法を使えない欠陥人間だと聞いたぞ!」

「黒い臭い水を好んで飲むのだろう!」

「石を投げてやれ!」


「・・・・」(殺したら問題になるわよね。どうしたらいい?)

そのとき、シャーロット様が護衛騎士を連れて現れて下さった。


「貴方たち、石を投げようとしているのね。この人ひとたちはお母様と親交のある一族よ。ということはスペンサー伯爵に反旗を翻す行為よ!」


「ヒィ、お屋敷のお嬢様だ!」


「アントン捕まえて」

「はい、お嬢様!」


・・・

「「「大変申訳ございませんでした」」」


「・・謝って・・くれたからもういいです・・」

「・・・・・」


「フフフフ、もう偏見で人を判断しては駄目よ」


「さあ、貴方たち、イセ国の人たちね。お父様と代表団が屋敷に来られているから、案内するわ!」


まだ、あんなに小さかったから、私のこと記憶にないのね。領を見回りして・・私は今、伊達コンタクトをしている・・気が付かないわね・・・


・・・・・


シャーロットは使用人の蔑む目が怖い。悪口を聞こえるようにささやく口角が怖い。自分で言うと宣言したが、ブルブル震えている。


「何だ。震えているぞ。早くメシを寄越せ」

腹が減って気が立った使用人たちは、令嬢であるシャーロットに命令までする。


最初にセンパイが肩を支えた。次に、ミヤも肩を支えた。


「私は、正式に、父より、スペンサー家の貴族印の譲渡を受けました!私がこのスペンサー伯爵家の当主です!だから、権限があります。貴方たちは・・・貴方たちは解雇です!理由は私への不敬、アンへの日常的な暴力行使、それだけは決して許しません!今すぐ、荷物をまとめて出て行って!出て行きなさい!グスン」



「何だと、俺たちがいないと屋敷が回らないぞ!」

「「「そうだ。そうだ!」」」


パチパチパチとセンパイとミヤが拍手をする。

パチパチパチパチパチパチと段々拍手の音が大きくなった。


「何だ!」


周りの植木のカゲから、人が現れた。新しい使用人たちだ。

皆、王都で働いたこともある一流の使用人。


その中でひときわ目立つ人物がいた。


「近衛騎士団長がいるぞ!」


「ミヤさん。感謝しておりますよ。騎士団を定年退職して、次に仕える方が、こんな立派なお嬢様だなんて、紹介してくれて礼を言う。有難う」

「いえ、これもシャーロット様のご人格の賜ですわ」


「さて、主の裁断が下った。不服のある者は前に出ろ!」


「ちょっと、退職金と紹介状を書いてくれなきゃ」


執事が代表して前に出た。


元近衛騎士団長はミヤに目配せをする。

ミヤは、わざとらしく、シャーロットの視界を塞ぐ。


「不服か?それもヨシ!」


スパンと首を物理的に斬った。


「ヒエ、外道だ。こんなところやってられるか!」



ミヤはそっと離れて、呟く

「フフフ、クビだけですむワケ、ないじゃない?」


「甲、甲、乙、プランエコー!」

「「「了解!」」」



「はあ、はあ、荷物は持ったな。こんな外道屋敷逃げるぞ!」

「あれ、ドア開かないよ」


使用人棟は外から塞がれている。


ドンドン、開けてくれ、開けろ!



二週間後



カサカサカサ、カバ!


「はあ、はあ、これ俺がとったGだ。パク!」

「足だけ、足だけ食わせて~」



ガチャとドアが開いて、粥の入った寸胴をカートに入れ、使用人棟に入ってくるメイドがいた。ミヤだ。


「あら、人の食事にGを入れた人たちがGを食べるって、本当にGが好きなのかしらね。異物を入れた反省を言ってくれた人から、粥をあげるわ」


「メシ~メシ~メシ~」


「あら、メシなんて答えは認めないわよ」


数時間後、やっと彼らは粥をもらえたと云う


その後、彼らを使用人として雇う貴族は無く、日雇い仕事を転々として生涯を費やした。

最後までお読み頂き有難うございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ