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僕はうまれた〜突然の脳卒中〜  作者: こうのたかよし
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転倒むし

少しずつ自分の状態を理解してくると


今自分がどれだけ動けるかどうしても試してみたくなった。


リハビリ時にいつも車椅子に抱えて移してもらっていたので負担を減らす為にも自分で先に移動しておこうと考えたのだ。


幅にするとベッドからわずか50センチあとは身体の向きを回転させて腰掛けるだけだ。


少し緊張したがいけると思っていた。


だが予想以上に左半身は重く引きずられるように左へと崩れ落ちた。


すぐにやって来た理学療法士さんに助けられ車椅子に移してもらったがそのまま看護師さんを呼びにいかれた。


慌てて飛んできた看護師さんに少し強めの注意を受けすぐにリハビリは中止


頭を打ってないかのCT検査となった。


幸い異常はなくその日は終えた。


次の日のトイレでちょうど日勤と夜勤の人が入れ替わるバタバタとした時間帯


いちいちトイレから移動するだけでナースコールを押すのは申し訳ないなと思いトイレを流すと今度こそ慎重に車椅子へ乗り移った。


しかし車椅子のストッパーを忘れていて僕は大きな音を立てて転倒した。


数人の看護師さんが集まってきて僕は内心めちゃくちゃ焦った。


ただいつもは厳しい主任さんが優しく笑顔で


「こけたなー」と言ってくれたのでいくらか救われた気持ちになった。


だがその日の晩から僕のベッドには転倒防止ブザーが付けられた。


少しでも頭を持ち上げるとブザーがけたたましく鳴りすぐに誰かが来た。


僕は最初状況が飲ま込めず頭を持ち上げるとブザーが鳴ると理解するのに3日程掛かった。


そしてSCUで2週間が経ち次の日から急性期病棟に移されることになった。


一番よく話し掛けてくれて優しくしてくれた看護師さんが


「河野さん、違う階に行っても私のこと忘れんとってや」


と言ってくれて初めて脳卒中患者から河野さんという個人を認識出来た気がした。


そして僕は4階から8階へと朝一番で移動した。

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