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僕はうまれた〜突然の脳卒中〜  作者: こうのたかよし
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初めてのリハビリ

朝起きると看護師さんではない見慣れない若い男性が来て


「初めまして作業療法士の国本です。今日から体を治す為にリハビリを開始します」


と元気よく言われた。


車椅子に乗せられエレベーターに向かうと若い何人かの看護師さんと一緒になった。


上から見下される感覚が初めてでとても恥ずかしかった。


「ここがリハビリ室です」


と通された場所はとても広く僕も同じような年齢も数人見えた。


ほとんどは高齢の方だったがそれでもスタスタと歩く人もいてとても複雑な心境になった。


大きいソファーのようなベッドにゆっくりと体を支えられ移動させられると僕の体をゆっくりと観察し始めた。


左腕を触られるのだが全く触られている感覚は無かった。


全般性注意障害、左半側空間無視、左顔面麻痺、構音障害、左側感覚障害、左上肢表在及び深部感覚重度麻痺と診断されていた僕は


まるで右半分だけで生活している感覚だった。


ただそれに困っている感覚もなく垂れていただろうよだれを拭かれても恥ずかしい思いも生まれなかった。


「今日はこれぐらいで」


と言われると何がなんだかわからないまま病室に戻された。


夕方になると仲良しのお店の常連様が来た。


いつもはスーツなのに急いで来てくれたのか


ラフな私服だった。


しばらくは僕の姿に言葉が出ないようだったが


少し談笑した後


「待ってるから、早く元気になってや」


と言われるとボロボロと涙が溢れ声を出して泣いた。


「いつも笑ってたやん、そんな河野さん似合わんから泣いたらあかんで」


そう言われてもただただ泣くしか出来なかった。


そして初めてここで1人は寂しいと感じた。



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