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僕はうまれた〜突然の脳卒中〜  作者: こうのたかよし
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自分への希望

お見舞いに来た社長がいきなり


「お前鍼灸やったらどうや?」


と唐突に勧めてきた。


なんでも娘さんが鍼灸学校を卒業して鍼灸師として働いているらしい。


社長が試してみたら驚く程にコリが取れたと言うのだ。


とにかく出来ることはなんでも試したいと思っていた僕はすぐに病院からも家からも通える鍼灸院を探して予約した。


毎週の試験外泊日に初めての門を叩いた。


沢山靴があり人気店なのは理解出来た。


少しの待ち時間の後どうぞと通された。


個室に通され服をなんとか着替えると横になった状態から先生のカウンセリングが始まった。


症状や経緯を伝えると

とても自信満々に


「大丈夫、必ず治るよそのための鍼灸やから」


と穏やかに言われた。


僕は何を根拠に?と疑問にも感じたがとりあえず受けてみることにした。


約1時間の施術

最初の頃に頭に刺した鍼を触りながら


「指動かしてみて」


と言われた。


この約5ヶ月のリハビリ生活で指は親指が数える程反応しただけだ。


僕は戸惑いを見せ


「え?」


と聞き返した。


先生は笑顔で


「いいから動くから」


と優しく急かした。


僕は思い切り半信半疑で

指に視線を向けると動かす意識を向けた。


すると!中指が何度か反応した。


先生は得意気に


「な、動いたやろ、頭の鍼やから不思議に思った?これが鍼灸やねんなー」


と満足気だった。


支払いを済ませ早速次の予約もして意気揚々とご飯を食べに行った。


その日はこの感覚が消えないかとの不安と早くセラピストさん達に見せたいと言う欲望が湧いてきた。


次の日病院に戻ると早速リハビリの時間に山崎さんに見せた。


幸いまだ動く感覚は残っていた。


山崎さんの目を輝かせたような「すごーい!」と言う歓声に横井先生と山本先生が集まってきた。


3人の前でもう一度動かしてみる。


(まだ動く)


みんなの驚きの声が響く。


山本先生だけは


「やはり鍼灸は速効性高いですね、でも河野さんの指を動かすのが一番じゃなくて悔しいですね」


と独特の言い回しをした。


僕の気持ちは一気に明るくなった。


それはもちろん初めての鍼灸への希望と山本先生のここまで真剣に僕のリハビリを考えていてくれてたのかと言う思いに。


半年掛かったがやっと自分自身に希望を持てるようになった。

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