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僕はうまれた〜突然の脳卒中〜  作者: こうのたかよし
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久しぶりの料理

それは山崎さんとの会話からだった。


「久しぶりに料理作りたいなー」


「やる?河野さんの料理食べてみたいし」


意外な反応に驚いた。


「でもどうやって、どこでやるの?」


「10階のリハビリ室、たまに退院してからの練習で調理実習するねん患者さんが、材料とかは一緒に買いに行くねんけど」


「あれやったら企画するよ、いつがいい?」


料理のイメージはあるのだがまだ自分でやり切れるなかったのでけいこさんが午前中から来れる水曜日にした。


「アクアパッツァ作るわ」


「何それ?」


聞き慣れない言葉にイメージがつかなかったようだ。


「イタリア料理の魚の簡単なやつ」


「えー楽しみ!」


早速その日の夕方に山崎さんと一緒に買い物に行った。


鯛とアサリを選びオリーブやケッパーなどを買った。


(いつもお金もらって料理作ってるのになんでお金払って料理作るねん)


とかは考えたけれど今はチャレンジだと思い直した。


当日


簡単な調理器具と材料を並べ作業療法士さんたちが見守る。


試しに鯛を切ってみる。


残念ながら左手に包丁を持つと左手は内側に巻き込み

今度は右手で持ってみると左手で全く鯛を抑える事が出来ず断念した。


けいこさんにやってもらって支持を出す事にした。


けいこさんは急にお店の記憶を思い出したのかビビりまくっていた。


フライパンはなんとか右手で持てた。


久しぶりの感触が手を伝う。


クツクツと沸いたフライパンからは魚介の美味しそうに匂いがしてきた。


口惜しかったけど盛り付けもけいこさんに任せた。


最後にそのままのフライパンでアクアパッツァの香りが付いた焼きトーストを作った。


「あーなんか良い匂いするー」


と看護師さんたちも部屋に続々と入ってきた。


みんなで食べて欲しいと思ったのだが山本先生が


「今はあくまでリハビリ中になりますので河野さんが食べられないなら昼時間にみんなで頂きます。」


(真面目か)


と思ったが山本先生はドが付く真面目だった。


夕方のリハビリで横井先生が


「とても美味しかったですよ!みんなで取り合いになりました、あれは僕も家で作れますか?」


と聞いてきたのでレシピを詳しく教えた。


そこから1週間で何人ものセラピストさんたちがアクアパッツァを作ったようでFacebookに載せてる人も居た。


久しぶりに作った料理


気持ちがみんなと繋がる気がしたしやっぱり料理を早く作りたいと思った。


その日からのリハビリにより一層力が入った。

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