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僕はうまれた〜突然の脳卒中〜  作者: こうのたかよし
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病人であるという認識

5日目に入り尿意を催した時


管をつたってビニールパックに出ているのに気づいて


夜中にその気持ち悪さに耐えられなくなった。


男性の看護師さんを呼び


「お願いします!管を抜いて下さい!」


僕のあまりに真剣な懇願する表情に観念したのか


「わかりました。ほんまは1週間経ってからやけど いいでしょ抜きます!」


と言って抜いてくれた。かなりの苦痛を伴ったが


管が繋がれたままの違和感よりよっぽどマシに思えた。


脳卒中になってから初めて寝ようと思って眠った。


次の日の朝


「はい今からお風呂行きまーす」


という声に反応すると一気に担架に移され


同階のお風呂場に連れて行かれた。


寝たきりのまま全てを脱がされると二人掛かりで


僕の頭から全身を洗い始めた。


恥ずかしいとか思う暇もなく一気に洗われ


一気に拭かれた。


部屋に戻ると息子が来ていた。


僕のスマホを持ってきてくれたみたいで


不慣れな右手でスマホをいじると息子の姿を撮影した。


すぐさまFacebookにお見舞いに来てくれた様子を


投稿すると30分もしないうちに勤務先の社長から電話があった


「お前!Facebookに投稿したか?!お客さんから問い合わせの電話が鳴りやめへんぞ!」


それは困惑したような怒ったような感じだった。


すぐに消そうとしたがどうやっても消去の仕方がわからなくて


慌ててスマホを落としてしまった。


息子に拾ってもらい落ち着いた僕は社長からの


電話があった事も忘れて運ばれてきた昼食を食べて寝てしまった。


まるで悪気もなく記憶も無い。


認知症になった母と自分を重ねてただぼんやりとしていた。


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