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僕はうまれた〜突然の脳卒中〜  作者: こうのたかよし
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初めての講演会

指定された会場は心斎橋にあるカフェボーテ


僕もよく知るお客様のお店だ。


みんな繋がっているんだなと感心した。


お洒落なビル内にあるテナントは吹き抜けの2階を通ってやっとたどり着く。


開店時にお祝いに行ったきりだ。


その時は何にも感じなかったが上下するデザイン重視の階段はとても緊張した。


一気に固まる左足

手すりを伝いながら確実に一歩一歩降りる。


ようやく気付いたお店の方が扉を開けて出迎えてくれた。


少し早めに着いた僕に今回の主催者の七重さんが声を掛ける。


手を添えられながら用意された席に案内される。


以前は僕が客席まで案内していた。


今は逆の立場だ。


恥ずかしさと申し訳なさの感情が走る。


「今日は来てくれてありがとう。河野さんを知ってる人も居るけど初めての人も沢山来るから河野さんの生い立ちと脳卒中になる前の前兆、そして今の気持ちを話して欲しい。」


「その後うちの主人が脳卒中にならない為の生活習慣とかを話しするから」


幸い昔から人前で話すことは慣れていて緊張しないので

特に何を話すかは決めて来なかった。


とりあえずマイクを持ってからの雰囲気でと決めた。


続々と人が入って来た。


後から聞くと弁護士さんや歌手いろいろな業界の社長さんが多く1人だけ違う場所に座る僕へと視線が集まるのを感じた。


人が揃うと意外な事にまずランチ会が始まった。


何人かは僕が今日のゲストがスピーカーだと知り挨拶に来てくれる。


和気あいあいとした食事のムードだ。


約1時間経った頃七重さんがマイクを握る


「今日は紳助さんのお店はせ川の支配人で現在脳卒中になりリハビリ中の河野さんに脳卒中の怖さと体験を話して頂ます」


と笑顔で告げ僕にマイクのバトンを渡す。


本当は左手でマイクを持ちたかったがまだマイクの重さに堪えることは不可能で仕方なく右手でマイクを持った。


15分程で生い立ちから今までを話す。


少しずつ神妙になる会場の雰囲気

言葉が時間を経つ毎にもつれそうになるのが分かる。


3歳から芸者の母と一緒に舞台に上がっていた話

アル中の叔父からの度重なる暴力の話 音楽学校に行きプロの歌手を目指した話 

でも叔父の借金によって夢を諦めた話 仕方なしに料理を始めたこと

料理が楽しくなり真剣に料理を始めたこと

順風満帆の時に母が倒れ認知症になったこと

仕事を辞め自宅介護を選択したこと


次第に涙をすする音が聞こえてきた。


そして脳卒中に突然なった話


ここからはなるべくゆっくりと話をした。


皆どことなく対岸の火事と思ってしまっている脳卒中

もちろん僕もそうだった。


だが今は当事者せっかく脳卒中になったのだからみんながならない為に伝える義務がある。


そう信じて予兆や気をつけて欲しいサインは勉強した予防法を話した。


やまない拍手と共に脳外科医の山中先生へとバトンタッチした。


山中先生の話は素晴らしかった。


わかりやすくユーモアもありみんなが興味を持ち続けたままその話は終わった。


終わった後2人で話をした。


元々病院の勤務医で脳手術専門で何十年も過ごしていたらしい。


だけどある時患者は手術をした後退院した後からが人生の本番だと気づき2年前に脳神経外科リハビリクリニックを開業したそうだ。


僕はとても感銘を受けた。


話終わった後はいろいろな人から挨拶を受けた。


今の環境の自分でもこうやって人の役に立てるんだと勇気をもらった。


より一層富永病院での講演会を成功させたいと感じた。

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