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僕はうまれた〜突然の脳卒中〜  作者: こうのたかよし
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セラピストさんの気持ち

リハビリにしても普段の会話にしても出来る限り明るく努めた。


本来自分はこうなのだ。


5月の話し合い以来言語聴覚士さんを外して作業療法士さんが2人ついてくれている。


その日は山崎さんと言う小柄な女性だった。


この先生は不思議と気持ちをリラックスさせてくれる人で唯一この人にだけ敬語じゃなくて普通にしゃべっている。


いつも役割分担として午前中に山崎さんが全身をほぐしてくれて午後にリーダーの作業療法士横井先生がリハビリをしていくパターンが多かった。


その日も世間話をしながらストレッチと左手の固さを入念にほぐしてもらっていた。


「今から親指やるねー」


リラックスしながら山崎さんが動かすと頭の片隅で親指を動かすイメージが山崎さんの誘導とリンクしてほんの少しだけ動いた。


『動いた!』


2人の声が重なった。

あまりの驚きと感動に顔を見合わせた。


そこから残りの時間は親指に集中した。


まだ出力が足りないのか数回すると止まってしまうが確かにまぐれではなく親指は動いたのだ。


昼からの2人の先生に話すと驚き喜んでくれた。


そして夕方山本先生と打ち合わせをしながらリハビリ室に行くと他の患者さんと居る山崎さんと遭遇した。


僕は嬉しくて


「なあなあまた親指やってなー」


と山崎さんに声を掛けると満面の笑みで


「うん!やろー!」


と本当に嬉しそうに返事をしてくれた。


その時僕はハッとした。


僕の担当は3人リーダーの山本先生と横井先生そして山崎さんだ。


そしていつの間にかどことなく山崎さんとはほぐす時間


とリハビリの期待をしなくなっていた自分になっていた。


きっと山崎さんにはすごいプレッシャーだったと思う。


なんせ2人のリーダーと常に比べられるのだから…。


とても申し訳ない気持ちになって今まで治したい一心で自分のことしか考えていない自分がそこに居たのに気付いた。


体を治すのと一緒に自分本位になっていた心のリハビリもしっかりしていこうと誓った。


そして7月31日


いよいよ脳外科医との講演会の日がやって来た。

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