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僕はうまれた〜突然の脳卒中〜  作者: こうのたかよし
33/60

社会との接点

翌日

目を覚ますと外での歩行にも慣れないとダメだと思い自分に課した週1度の試験外泊の日だった。


正直出掛ける気にもならないぐらいに憂鬱だったがルーティンにしていた事だったので

とりあえず迎えに来てくれたけいこさんと一緒に病院を出た。


まずはお腹が空いたので家の近くの地下街でインディアンカレーを食べることにした。


味覚が病院食に慣れているのでビックリするぐらいに辛かったけどやはりとても美味しかった。


ふと帰り道並びの店舗をウィンドウショッピングをしていると


「河野さん」


と声を掛けられた。


見るといつもお客様や自分の為に購入していた香水のインポートショップの竹田さんだった。


もうすぐ80歳になると言う物腰の柔らかいとても紳士なおじいさんだ。


聞くと商店街の駆逐整備でたまたま今日で閉店すると言う。


どこの百貨店やお店より安くて親切で香水を大好きだった竹田さんのお店が無くなる事はもし料理が再開出来た時に大いなる痛手だ。


「でも河野さんなら電話してもらったら個人的に揃えますよ」


とおっしゃってくれた。


有り難さを感じながら最後の買い物をした。


せっかくなのでいつも選ぶ香水より高価ものを1本購入した。


すると竹田さんは


「河野さんにはとてもお世話になったからどうせ処分してしまうなら好きなの持って行って下さい」


となんと全てのテスターで使っていた香水をプレゼントしてくれた。


申し訳なりつつもその優しさに感激して遠慮なく頂いた。


記念に一緒に写真を撮らせて頂きお別れの挨拶をした。


長い長い通路を僕達が見えなくなるまで深々とお辞儀をしてくれる竹田さん。


もしもう1度料理を出来るならこんな接客をしたいと思った。


夜のお店は何度もお見舞いに来てくれている(粋な料理ひろと)に行った。


同じビル内で同い年の店主が営業する心斎橋では予約の取れないお店で有名だ。


他愛もない話をしながら感謝を伝え最高の食事を楽しんだ。


帰り道

昨日の精神的ダメージはあったけどこうやって変わらず接してくれている人達が居る。


リハビリ頑張って借金なんか働いて返せば良いじゃないか。


必ず復帰してやる!


なんの約束もないただの空元気だったけど


自分自身をもう一度内面から鍛え直そうと強く感じた。

それと同時に脳外科医との講演会を控えてお世話になっている富永病院でも何か役に立てないかと考え始めた。

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