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僕はうまれた〜突然の脳卒中〜  作者: こうのたかよし
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優しさと厳しさ

5月15日


社長と息子も交えての今後の方針を主治医の方と担当のリハビリの先生達とで話し合った。


各担当者からの報告のあと意見を聞かれた。


僕はお店の売上が落ちているのが気になっていたので


「なるべく早く退院したいです。お客様からの苦情も来てますし主要メンバーが先日相談にきて雰囲気が悪すぎて居るのが辛いと立ってるだけでもいいから戻ってきて下さいと言われました」


と告げた。


先生は


「…正直、退院は本人の意志優先です。でもこのまま出たらその手は諦めないと仕方ない」


「でもこの2ヶ月しっかり頑張れば可能性をとても高くなる。この左手はそれにかけてみる価値のある手やと思いますよ」


と淡々と述べた。


息子は


「お父さんしっかり入院して治してもらおう」


と僕に言い聞かせるようにいった。


社長の答えは


「何ヵ月かかっても構いません。完全にしっかり治してやって下さい」


と言ってくれた。


「では、明日から手のリハビリの時間増やしてリハビリ調整してこの2ヶ月はあなたの人生において1番大事な2ヶ月やからね 」


と今度は少し優しく言った。


この手がもしかしたら動かなくなる可能性もあるのかと茫然自失となった。


社長は病室で二人になったあと厳しい口調で


「会社のことは一切考えるな、今のお前の仕事は身体を治すこと、俺がお前になるべく店の人間と連絡取るなと言ってるのはそう言うことや」


「お前は責任感でいろんなこと悩んでリハビリに集中出来へんやろ、だから言うてるねん。」


「心配するな!給料はちゃんと振り込む、もしお金が足らんかったから遠慮なく言え、治ったらしっかり働いて返してもらうから」


僕はただただ頭を下げるしかなかった。


社長は


「そろそろ帰るわな」


と静かな口調で言うと息子を呼び


もうひとつ優しくなった声で


「お金心配になったらいつでも言うてきて、こいつ治るから

そしたらしっかり働いてもらうから」


とそれだけ言うとまた厳しい口調に戻り


「ええか!今の仕事は身体を治すことやぞ!仕事やからな、それが!」


と言い去り際に


「頑張れよ」


といって帰って行った。


息子も帰り一人きりになった後久しぶりに泣いた。


手がもし動かなかったらと言う恐怖と社長の優しさと厳しさに。


ひとしきり泣いた後気持ちを強く持ち直した。


待っていてくれる皆んなの為にそして自分の為に

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