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僕はうまれた〜突然の脳卒中〜  作者: こうのたかよし
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リハビリの希望

その日から意識が変わった。


誰も名前を覚えようとさえしなかった療法士さんたちの顔と名前を出来るだけ記憶するようにした。


8階での僕の担当は澤口PT山本OTだった。


二人とも急性期ではやり手の30代の男性だ。


ようやく自分が何をされているのか二人は何をしようとしているのかが理解出来た。


山本OTは重たい左手をストレッチのように時にはプロレス技のように動かし僕の反応とリンクさせていった。


澤口PTはとにかく固まった足の裏の股関節を柔らかくすることから始めた。


とにかく激痛だった。


ふと気付くと右足と左足では太さが全然違うことに気づいた。


たった2週間動かなかっただけでここまで筋肉は弱るものなのかと驚いた。


「今は全身が弱って固まっています。それを少しずつほぐしながら柔らかく動く足にしていきます」


と僕にさらりと言ってきた。


全く動かすことを忘れていた僕に(動く)というキーワードが耳に入った。


まさか…そんな簡単にと頭の中で理解させることは難しかった。


「河野さんはこの2週間で足はある程度緩んでいます。ご自分の意思が伴えば立てるはずなんですよ、一度立ってみませんか?」


といきなり言われた。


僕は澤口PTの肩に右手をしっかりと乗せ恐る恐る車椅子からお尻を浮かした。


ほとんど右足だけで立っている状態だが自分でもなんとか立てるんだと気持ちが僅かながら綻んだ。


と同時に息子が初めて立った時を思い出した。


(赤ちゃんみたいやな、もう一度育て直しやな、自分を)


そう考えを納得させ僅か10秒ほどの感動を味わった。


「立てるじゃないですか!これを少しずつ繰り返し左足に重心を預けられるようにしていきましょうね!」


笑顔で言われたその言葉は僕の心に希望とやる気をもたらせた。


そして夕食時普段なら来ているはずのけいこさんがまだ来て居なかった。


7時を過ぎてもまだ現れずラインも既読にならなかった僕はとても不安になり何度も何度も電話を繰り返した。

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