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僕はうまれた〜突然の脳卒中〜  作者: こうのたかよし
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死への誘惑

急性期病棟はSCUと比べて圧倒的に人手不足で

ナースコールを押してもすぐに看護師さんが来てくれる事は稀だった。


面会時間中はほとんどけいこさんが来てくれていたのでさほど心配もなかったが就寝時間を過ぎると広い病棟を看護するのはたったの3人だった。


その日の夜中にどうしてもトイレに行きたくなってナースコールを押すと5分待っても誰も来なかった。


再度ナースコールを押すととても怪訝そうに高齢のヘルパーさんがやってきた。


「ここいつも人少ないからそんなに何回も押しても来られへんから」


と押すなとまでは言われてないが押すなよと言われたぐらいの威圧は感じた。


益々孤独にこの入院生活を感じ始めていて(死)への魅力に取り憑かれはじめていた。


次の日のリハビリで僕はPTさんに


「僕は入院して20日過ぎてまだ回復するイメージなかったら死にます、だからあと10日です」


と口ぐせのように言っていた。


困り果てたPTさんは


「20日では難しいけど河野さんまだ若いから生きてたほうが良いですよ」


と答えていた。


だが死にたいと言う気持ちは一項に収まることは無く日に日にその妄想が大きくなってきていた。


そして次の日彼女がやってきた。


元々少し遠距離だったので久しぶりのお見舞いだ。


彼女は母親が認知症になったらしく全てを捨ててこっちに来ようかと迷ったがやはり母親をとりたいと別れを告げてきた。


正直全く引き止める気力もまた立場もないと思った。


(こんな車椅子に乗ったよだれ垂らした彼氏なんかイヤやろな…)


「今までありがとう、体無理しやんでな」


そう元気に彼女に右手で手を振るとそのまま車椅子を押されてリハビリへと向かった。


(もうそろそろいいよな)


そう自分で納得させて感情の入らないリハビリをこなすと夕食をとりすぐに眠りについた。


そしていよいよ決めていた日(4月17日)になった。

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