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僕はうまれた〜突然の脳卒中〜  作者: こうのたかよし
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突然の

3月27日

その日は休みの次の日でゆっくりと午後出勤にしていた。


朝起きトイレに行こうといつもの様に左手で体を持ち上げると

何故か力が入らず「?」と思ったがあまり気にせずそのまま

いつもより重たい印象を抱きながら歩き始めた。


2、3歩進むとグラリと景色が歪んだ。


それはめまいでは無く左足の存在が突然消えたイメージに近かった。


そのまま転倒すると自分自身驚きを隠せないまま

なんとか這って自分の部屋まで戻り机の上にあったスマホを揺らして

落とし勤務先の社長に電話をかけた。


「すみません僕もうダメかもしれないです。身体が動かないんです」


そう呂律の回らない口でなんとか告げると社長は


「そんなんいいから早く救急車を呼べ!」と叱責され

たまたま夜勤で帰宅したばかりの息子に頼み救急車を呼んでもらった。


幸い5分とかからず救急隊員が来てくれ僕の症状を見ると


「あかん富永行こ!」(脳卒中の専門病院)と早々に目的地を

設定してくれ運ばれた。


タンカに乗せられる僕に同乗した息子はまるで現実味を帯びない

表情で僕を見ていた。


病院につくと慌ただしく急ぐ救急隊員と看護師さん

MRIや様々な検査を迅速に済ませると医師は僕に診断を下した。


「脳出血です。右被殻出血です。これから入院してリハビリになります。体は後遺症を覚悟して下さい」


と冷静に告げられた。


僕はぼーっとする現実とも夢とも判断出来ないまま1言だけ呟いた。


「もう死にたい」


慌てて励ます息子の言葉を遥か遠くに聞いていた。


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