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―――

 自分の口から出た言葉に、驚きを隠すことが出来ず、封印の間をじっと見つめる。貴女の為にしたことで、ここに封印されたことを裏切られたと感じていた。でも、久々に話をした貴女は、全然変わっていなかった。

天界も人界も・・・魔界も大切だと言っていた貴女のままだった。

 ・・・いつだって、上は下を救うものだと、いつも怪我するのは、犠牲になるのは貴女で・・・。私はそれが許せなくて、悔しくて・・・それに加え、会いに来た目障りな魔界人のせいで、貴女にあんな提案をしてしまった、と・・・最初はそう思った。

だが、あそこに主様がいてくれれば、あの方は安全な場所に居てくれる。その間に、天界と魔界を離すことを考えなければ、と思った。


そんなことを考えていると、足元の魔界人が意識を取り戻した様だった。

主様が傷を回復させた魔界人だと思うと、何故か憎悪が更に湧いてくる気がする。私自身も回復させたかと思うと、余計に、だ。

まぁ、この魔界人を助けたいという主様は、私に回復させることは勿論、させた方が良かった、と思う。・・・でも、貴女はひとつ見逃した。私がこれに、回復の法を掛ける前に、服従の法を掛けていたのを。

・・・これはかけ、でもあった。貴女が気付くことなく、話が拗れてしまった時に使うはずだった。それも必要なくなったが、この法は、解かず利用させてもらおう、と内心呟きつつ、魔界人の様子を窺う。

すると、ようやく起き上がり、こちらの存在に気付いたらしく、警戒しつつ、こちらの様子を窺っている様だった。


「その警戒は今更、無駄ですよ。」


 魔界人へ手を翳し、聖力を込め、宙を掴む。すると、魔界人は苦しそうにもがき、自らの首元を掻き毟るも、こちらを強く睨むのを止めない。その様子にクスクスと零れる笑みが止まらない。

 まぁ、殺しては意味がない、と力を込めた手を離す。


「貴方には、聖力で服従の法を掛けました。解いてほしければ、私に協力しなさい。これは、命令ですので、悪しからず。」


 余裕の笑みを浮かべているであろう私と、明らかに憎悪を押し殺すような表情の魔界人のツーショットに、何故か小さく笑みが零れた。



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