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第七歩国王に会ったため、世界の闇を思い出そう

 と言うわけで、謁見の間。僕は今、国王を待っている最中だ。

 何でも、国王を待つのが当たり前で、国王を待たせる事はあり得ないらしい。

 まあ、確かに当たり前だけど、異世界人で、そもそも人間ですらない僕は例外なんじゃなかろうか?

 そもそも勇者は魔力エルフ以上、身体能力獣人以上、総合戦闘力魔族以上と、どう考えても人間に当てはまらない能力となっているため、勇者というのは、それだけで一つの種族なのだという。

「国王陛下がお見えになる!」

 何か偉そうなオッサンが声を張り上げて宣言した。

 僕は基本的にどの国の国王とも知り合いだが、その国の幹部や貴族とは基本的にあまり友好ではないし、友好になりたくもない。

 大抵の異世界転生ファンタジーでは描かれない、勇者が魔王を倒すというストーリーの裏話をご紹介しよう。

 異世界転生ファンタジーでその世界の人間に取って、一番いい結末とは何か、想像してみて下さい。

 想像できましたか?

 それでは正解を発表致します。

 正解はですね、


 勇者が魔王と相討ちになる事です。


 考えてみて下さい、魔力が一番強い種族よりも魔力が高く、戦闘力が最も優れた魔族を滅ぼせる。そんな生物を普通生かして置いたら、何をしでかすか分かったもんじゃありませんよね。

 暗殺者を仕向けるのが、普通だ。

 僕の場合、彼らを脅してやめさせた。

 何度も言うけど、世界を滅ぼすのは、今の僕に取ってはそう難しくない。

 だから、ほとんどの貴族とかは、僕を隙あらば消そうとするだろう。

 それが僕がアイツらと仲良くしたくない理由だ。

 まあ、全ての貴族や偉い人がそうかと言われると、そうじゃないから、そういう人とは仲良くしたいと思う。

 そう色々考えているうちに、国王様来ちゃったよ。

 しかも今は、大臣だったり、宰相だったりがいるから余計めんどくさい。

「ようこそ参った。救世の勇者よ」

 ほら始まった。

 こういう時、これまた空っぽな挨拶をウンザリするほど続けてから、ようやく本題に入る事ができるから、めんどくさい。

 こういう場に対応できるようにするために、今国王の隣に控えているお姫様兼最強召喚士にみっちり叩き込まれたんだよね。

 夜中に二人っきりで。

 そう。前にも言ったが、リーネ王女は誰がどう見ても、立派な美少女だ。

 髪はサラサラで金のように輝くブロンドで、触れたら折れてしまいそうな程華奢な肢体。

 白磁の肌にはシミ一つ無く、瞳はエメラルドの様な美しい緑色だ。

 羨ましい何て言うなよ?最初は僕だって、「女の子と夜中に二人っきり......!」何て健全男子としてあるべき反応を示したけど、いざやってみると...............地獄だった。

 だってさ、二リットルは入るであろうビンに水を入れた状態で立たされたり、正座させられたり、歩かされたりされたんだぞ!

 しかもその後、貴族との話題の合わせ方や、腹の探りあい方法、テーブルマナー等々を事細かに叩き込まれた。

 何より一番辛いのは、こういう事をやらされたからではない。

 美少女にこういうをやらされたのが、一番タチ悪い。

 僕だって健全な男子だ。美少女が目の前いるなら、カッコいい所を見せたくなる。だからつい気合いを入れ過ぎてしまう。

 そして終わった後、気合いを入れ過ぎるのと同時に、何も出来ない所を美少女に間近で見られるというダブルの疲労が押し寄せて来る。

 育ちと教育がいいせいか、終始僕を罵倒したり、愚痴を言ったりしていなかったのが僕に取っての救いだったりする。

 本当にいい子だけど、結婚は断った。今日スイーツを届ける時に、少し話をしよう。結婚は出来ないけど、まだ彼女とは友達でいたい。


 三十分後。


 ようやくあの長ったらしい建前上の挨拶が済んだ。

「それでは国王陛下、本題に入らせて頂きます」

 僕は膝間付いたまま、右手を胸に当てながら、今日来た用件を告げようとした。

「ああ。今日は何の用件かね?君が自ら正装で来るとなると、相当な事だと思うが」

「ええ。本日は、最近新しく聖騎士団に入団したギルスという者について伺いました」

「彼がどうかしたのかね?」

 おいおい、知らないのか?今じゃ、その辺にいるオバサンでもアイツの悪行を知っているのに。

 まあいいや。それは重要じゃない。重要なのは、

「彼は昨日、私の目の前で、罪無き少女を故意に攻撃を仕掛けました。それも、明らかに重傷を負わせるだけの威力がある一撃を」

 場がどよめき始めた。

「どういう経緯でそうなったか、説明してもらえるかね?」

「はい。私の経営している店で手伝いをさせている少女が、訪れたギルス聖騎士達一行をテーブルへ案内しようとしたら、急に攻撃を仕掛けて来ました。その攻撃は私が防ぎましたが、彼の行動は目に余ります」

 国王は顎に手を当てて、しばし考える仕草をした。

「分かった。結論を言おう」

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