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第四歩子供達の教育に悪いため、障害を取り除こう

別にウィル君がカトルに何か悪影響を与えないかとかそういうのはよっぽどの事が無い限り口を挟むような真似はしない。

 基本的にウチの子に限らず、僕は誰に対してもそういう風に思う。

 他人の幸せ何て、他人である自分が知る訳もない。

 逆に自分の決めた幸せを他人に押し付けるようなご都合主義脳をこじらせた奴何てロバにでも蹴られて死ねばいいとさえ思う。

 例え銀座のホストみたいにチャラくなっても、カトルがそれが幸せだというのなら、何の問題もない。

 だけど流石に、「女何てな、所詮は性欲処理の道具に過ぎないんだよ、グヘヘヘ」何て教えたら、ウィル君を成層圏まで殴り飛ばすだろうね。

「マスター、野菜の水やり終わりました」

「ご苦労様。ティフ」

 声を掛けてきたのは、ティフ。ロングヘアーで髪色が天然の白髪で、頭からピョコンと出ている三角の耳の毛から尻尾に至るまで全部真っ白だ。

 店の制服が怖いくらいよく似合っていたので、試しに店での礼儀作法を教えたら、王城にいた本物のメイドさん顔負けの出来となった。

 今では、セリスとともに、ウチの小さな看板娘となっている。

 彼女も僕が保護した孤児の一人で、異世界のロマンとも言える獣人の血を引いている。

 獣人には、大きく分けて二種類いる。一つは、動物が二足歩行をして、言葉を話すワーアニマル。もう一つは人間の体に所々獣の特徴が現れる亜人。

 ティフはいうまでもなく後者だ。

 大抵の異世界は獣人に対して偏見的な傾向にあり、この世界でも例から外れる事なく、差別の対象になっていた。

 隔世遺伝で、亜人が生まれようものなら、かなり高い確率で捨てられる。

だからウチの孤児院にいる子供達も、獣人が半数程を占める。

 ちなみに、ティフの名前は、僕が昔見た真っ白な猫の名前がスティファニーだったことに由来する。

「あっガルロさん、こんにちは」

 ティフはガルロさんにペコリと行儀よくお辞儀をした。

「ああ。こんにちは」

 ガルロさんは、冒険者セットを食べきって、飲んでいた食後の緑茶の湯飲みを置いて、穏やかに返した。

 何だろう、最初会った時は


『ああん?こんなガキが勇者だ?』


 初陣で魔王軍の一団を単独撃破して、戻った時


『まあ......いいんじゃねえか......?......うん......』


 魔王を倒した後、国王から勲章貰った時


『勇者殿、この度は、魔王を倒して頂いて、ありがとうございました』


 それが今では、


「ユウ坊、緑茶おかわり。後、ティフ嬢ちゃんとセリス嬢ちゃんのスマイル」

 この手のひらの返しよう、ガルロさん前世怪盗やってたんじゃないかとも何度か思った程だよ。

 ちょっと懐かしい名前、怪盗二十面相。名前からしてガルロさんそっくりじゃないか。

「ウチはスマイル有料です」

 好好爺の面をしていたガルロさんの表情は一瞬で真顔に戻ったかと思うと、今度は、神妙な表情になり、職人独特の覇気が溢れ出ていた。

 やっぱり怪盗だろ。

 ガルロさんは、大人の拳ニ個分位ある袋をドンッ!とテーブルに置き、中からジャリンッって音が鳴った。

 中からは、たくさんの金貨が出てきた。

「いくらだ?」

「出すんかい!」

 僕はガルロさんの頭をフライパンで思い切り叩いた。

 思わず関西弁でツッコンでしまったよ!

 何なの!?さっきの覇気は?あれ、職人の覇気じゃなくて、エロ親父の覇気かよ!

 しかも、ようそれを子供の前でできたなあ!

 子供達が真似しても大丈夫なように、フライパンは錬金術で精製したアルミニウム製ツッコミ専用フライパンを使っている。

 「子供達が、『こういう事をすれば、お金が手に入るんだあ』何て覚えたら、どうしてくれるんですか。

 結婚詐欺者がウチから出たら、どうしてくれるんですか」

 僕はガルロさんの頭の形に凹んだツッコミ専用フライパンを手でペチペチしながら、

「次こういう事したら......」

「したら......」

「出入り禁止ですよ?」

「ひぃぃぃ!」

 おまけで魔王さえ数瞬怯んだ勇者覇気も出してやる。

「も、もう二度としません......」

「よろしい」

 我に返って見ると、隅でティフとセリスが抱き合った状態で半べそかきながら、震えていた。

「僕もガルロさんの事言ってられないなあ......」

 子供がいる所であの威嚇は失敗だった。

 壁に手を当てて、しばし反省。

 反省していると、本日三度目のベルが鳴った。

 どうやら団体客のようだ。

「いらっしゃいませ」

 切り替えは素早くこなす。それがプロだ。(言い訳)

「ご案内致します」

 ティフがテーブルに案内しようと、進み出た時、一番前の男に突き飛ばされた。

「客じゃない。勇者はいるか?」

 その男は、白銀の甲冑を身に付け、その胸当てには流れ星のマークが刻み込まれている。

「聖騎士か」

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