第三十二歩フラグに逆らえなかったため、大人気なく落ち込もう
どうしよう。結構頑張って変な人アピールしたのに、やはりダメだったか・・・・・・。
なぜかって?
路地裏で絡まれた美少女をチンピラから助けるのはラノベ主人公がハーレムメンバーを獲得(捕獲)するための定番イベントだ。
どういう訳かフラグと定番イベントから逃れられないこの異世界ライフ。あのドSお姫様とド変態賢者様と我が子達だけでいっぱいいっぱいなのにこれ以上増えたら明日にでも神様に会いに行く事になる。間違いなく。
しかも今回の状況からしてこれから国際的に色々起こりそうだし、他の元パーティーメンバーともこれから会いに行く羽目になりそうだし、ウチのパーティーは男女関係が相当面倒な事になる。
だから!
可及的速やかにギリギリ命懸けない範囲で可能な限り何事もなくここから立ち去りたい!
「いいえ、商人の家系として、それは絶対に譲れません!」
そこは僕のためにも譲って欲しい!
「せめてお名前だけでも」
「じゃあ、ネルーアのどこかにあるカフェのマスターで」
そう言って僕は身体強化を用いてさっきとこないだもカフェで使った高速移動で立ち去る。
マジでもう勘弁だから!
もうチンピラどもの事何かどうでもいい。刑罰の代わりだとでも思え!
その後僕は、チンピラどもを騎士団に突き出して、王城へ(逃げ)帰った。
チンピラどもを騎士団に突き出す際に、チンピラどもが重傷過ぎて逆に僕が逮捕されそうになった。HEYミスター・ナイト、僕は一応勇者だぜ?そんな事するわけないじゃん。
だから出してやったよ。ギルドのゴールドカードを。
何だろう、中学の先生が似たような事やってたなあ。三十路のおっさんがコンビニでお酒を買おうとしたら、童顔故に店員さんに身分証明書を要求されたらゴールド免許を出したって言ってた。
今考えると、あれフラグだったのかな?
まあ、そんな事があって、僕はその日は疲れ果ててDive to bedした。
◇
ふぃ~。少しは疲れが回復した。
さてと。今日は知力勝負だったか。
頑張ろう。
パジャマからいつも王族に会うための礼服に着替え、昨日の闘技場に向かう。
なぜ知力対決なのに武力対決と同じ場所でやるのかの理由としては、ヴェルサ国王曰く観戦しやすいんだと。
うわぁ、昨日勝っちゃったからヴェルササイドから冷たい目線という名のブーイングが激しいんだけど・・・・・・。
「いんちょー、頑張ってー!」
「マスター、ファイトですー!」
おお、おお。これが黄色い声援ってやつかな。悪くない。悪くない。エヘヘヘ。
さて。今日の対戦相手は・・・・・・。
「本日の勝負は知力。言わずと知れた勇者、フユサキ・ユウ!」
おいおい、いよいよバラエティーっぽくなったきたよ。国の威厳を掛けた戦いをそんな風にしていいのか?
いいや。オリンピックと似たようなもんだし。
「対するは、大商会の幹部、ルリ・アビス・ライレル!」
ふーん、あのライレル商会か。ガルロさんのツテで仕入れたウチの調理器具もライレル商会の物が多かったなあ。
そして僕は出てきた人物に衝撃を受ける事となる。
「え?」
「へ?昨日の・・・・・・」
「Oh・・・・・・」
僕は地面を錬成して土壁を作り、それに何度もヘッドバンキングをした。
今なら僕は、ヘビメタで大物になれる・・・・・・。
ほらね、やっぱりフラグから逃れられない。
「いんちょー、また外で女作って来た・・・・・・」
グサッ
「マスター、見境無さすぎです」
ザクッ
「『英雄色を好む』という言葉は本物ですね~」
グシャッ
「最低ね」
ドカーン‼
僕は四つん這いに崩れ落ちた。
もう僕は立ち直れない・・・・・・。
体育座りで地べたで丸まり、右手で地面に円を書き続ける。
「え?何?どういう事?」
ルリさんと、問題を出すために呼ばれた研究者っぽい人がオロオロし始めた。
「時に無知とは幸せである」まさか僕がこの言葉の意味を直に感じる日が来ようとは・・・・・・。鈍感&耳が遠い系ラノベ主人公がうらやましい。
結局ルリさんが事情を説明する事で誤解は解けたが、僕に対する冷たい視線が溶ける事はなかった。
「これで貸し借りは無しよ」
さすが大手商会の幹部。義理堅いこって。
「そうだね。それじゃ、始めようか」
全く、第二戦でこれじゃあ、先が本当に思いやられるよ。願わくはこれで
この件が終わったら絶対リーネに報酬の他に精神的慰謝料をたっぷり請求してやる。
「では第一問」
さて。ここからが本番だ。




