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第三十歩暇をもて余したため城下町をブラつこう

 ヴェルサの闘技場はローマのコロッセオのような造りになっており、円形の闘技場の両端から入場するという感じだ。

 僕が入ると、反対側からは白いローブを着た白髪の老人が現れた。

「第一戦は技術勝負。ここに用意された材料で武器を作成し、より早くあちらに置かれた的を破壊した方が勝ちとする。なお、現在手持ちの物を使用しても可。ただし魔術による直接的な攻撃は禁ずる」

 ほう。なかなか面白そうじゃん。

 用意された原料はガラス、木板、鉄、鉛、火薬の五種類。的は通常サイズのワインボトル。

 これなら勝てそうだね。

「用意、スタート!」

 早速作成に取りかかる。鉄を錬金術で変形させるため、先に錬成陣を描く。

「何?」

 どうやら相手のじいさんも錬金術師だったらしい。

 しかもあらかじめ錬成陣を描いて来ている。手持ちの物を使用しても可とはこういう事だったのか‼

 だが、手加減無しの僕に勝てると思うなよ?

 じいさんが錬成しているパーツから考えてどうやらダーツを作ろうとしているらしい。確かに短時間で作れるが、それは悪手だ。

 急いで作ったダーツは羽の形がいびつになりやすく、空気抵抗を受けやすい。しかも羽を形成するのに適した軽い素材は用意されていない。

 だからこの勝負、もらった!

 錬成陣が完成したので、鉄のインゴットを次々と変形させて行く。

 スプリング、ハンマー、トリガー・・・・・・一発さえ当たればいいから、リロードは考えなくてもいい。リロードが不要な分スプリングをより強力な物に変える。

 よっし。素人では大体こんなもんだろう。

 僕が完成した時には、じいさんは既にダーツを投げ始めていた。

 なるほど。羽部分はどうするのかと思ったが、最初から着けないただの金属の棒を投げるだけとはな。ある意味驚いた。

 さて。僕もさっさと終わらせよう。でないと、リーネにどんな目に逢わされるか分かったもんじゃない。

 僕は完成した道具のトリガーを引き、トリガーと連動してハンマーがスプリングのロックを外し、内部から勢いよく弾丸が発射された。

 発射された弾丸は、ワインボトルに着弾した瞬間破裂し、ワインボトルを跡形もなく粉々に吹き飛ばした。

 僕が作ったのは、百均など

でよくあるバネ仕掛けの鉄砲の強化版みたいな物だ。

 ただ強いバネで中の銃弾を勢いよく飛ばすだけ。銃弾は内部に火薬を仕込み、外にコーティングされた鉛が着弾の衝撃で砕ける火花により引火し、爆発するミニミサイルみたいな仕様にしてある。

「僕の勝ち、だね」

 国王、皇子を含めたヴェルササイドのメンバーは、目に見えて渋い表情をした。


        ◇


 第一戦を勝ち進んだ僕は、またもや暇をもて余した。

 今度はやることが見つからず、天蓋付きキングサイズベッドの上でゴロゴロしたり、丸くなってゴロゴロしたり、前転でゴロゴロしたり、後転でゴロゴロしたりしていた。

 だってやること無いんだもん。

 リーネ達を部屋に連れ込んで見ろ。あのいけ好かない典型的なラノベの悪役の国王と皇子が直ちに嫌な噂を国中に広めるぞ?

 全く、国政もこんな迅速にできるなら賢王と呼ばれる事もあったかも知れないのに。

 ああもう、ゴロゴロし過ぎて気持ち悪い・・・・・・。

 第二戦は明日になったのだが、内容は知らされていないから対応しようにもどうしようもない。

 お風呂はしばらく行かない方がいいとして、城下町でもブラつくか。

 思い立ったが吉日。即行動!


 とまあ、城下町の商店街っぽい屋台が沢山並んだ通りに来た訳だが、何買おう?

 今日は目立たないように普段の僕の軽装、ゲーム風に言うならば<村人の服装>フル装備で街をブラつく。

 王城の門番にはゴールドのギルドカードを見せたら秒で出してくれた。便利だねえ。

 見渡す限りでは・・・・・・お、これとかいいじゃん。

 僕が目をつけたのは、屋台で焼いている特大サイズの焼き鳥の様な肉だ。

 普通のローストチキン丸々一羽分くらいあるモモ肉を丸ごと火で炙っている。おっと、ヨダレが。

「兄ちゃん、食っていくかい?」

 三角巾を巻き、エプロンを付けた少しぽっちゃり目なおばさんが声を掛けてきた。

 三角巾とエプロンって、こっちの世界にもあるんだな。

「はい。この肉を一つ下さい」

「はい、じゃあ銅貨三枚ね」

 銅貨はこっちでは大体一枚辺り五百円程だ。これだけ大きい焼きたての肉だ。千五百円でもぼったくりじゃないでしょ。

 勇者は食料<鶏モモ肉>を手に入れた。なんちて。

 更にブラブラしていると、パン屋さんもあった。細長いパンを売っている。

 しかしこの形、この色、これはどう見ても

「フランスパンだな」

 僕の大好物じゃないか。

 多少硬いが、オーブンで焼いて肉やレタスを挟んで食べると、フランスパン独特の香ばしさが肉の脂の旨味とマッチして旨いんだよなあ。

「店主、これを一つ下さい」

「毎度あり~」

 早速一口がぶっと・・・・・・このパン固いなあ。

 結構思い切りかぶりついたのにびくともしない。パンなのか、本当に?

 勇者は武器<フランスパン>を手に入れた。

 まあいいや。パン何て焼けば大体柔らかくなる。

「おや?」

 何やら不穏な気配が・・・・・・なんちて。路地裏が何やら騒がしいな。行ってみよう。

「やめて!妹を返して!」

 路地裏に入るなり、見るからにチンピラな奴三人が一人の少女を取り囲み、もう二人はもう一人の少女を通さないようにしていた。

 良く見ると、少女達は二人とも水色のサラサラなシルキーヘアで、サラとはまた違った魅力がある。

 それが路地裏でチンピラに絡まれるとは。

 WOW、定番だねぇ。

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