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第二十三歩脅されたため、一芝居打とう

昨夜の事件から数時間。

みんなの僕を見る目が変わった。

主にセリスとティフの態度がおかしい。

まあ、そうなるのも無理はない。何せ今のこの状況で普通にしてる方がおかしいのだから。

「はい、ユウ。あーん♬」

リーネが僕の腕にしがみつき、完全に密着した状態でリア充定番イベント「あーん♬」をしている状況で普通に出来るような化け物は少なくともこの中にはいない。

「あ、あーん……」

後先考えずとりあえず差し出されたローストチキンのようなものにかぶりつく。

そもそも今の僕は物理的な意味でまともな思考ができないのだから。

顔が赤くならないよう、頭部は氷魔法で冷やし、色んな意味で暴走しないよう、風魔法で周辺の酸素濃度を低下させ、脳を酸欠状態にしている。

なぜこうなったのか。

昨夜リーネが僕に抱きついたのを三人に目撃された辺りから説明しよう。

 特にセリスとティフが僕に対して態度が明らかに冷たくなった。

 僕は何もしていないのに......



 セリス達が入って来た。

 リーネがコートの下裸で、僕のコートを着て、僕に抱きついてる状態で。

「何してるんですかマスター⁉︎」

ごめん、ティフ。僕にもよくわからない。

「何って、ユウがようやく私を嫁にする事を決めたのよ」

「僕がいつそう言ったのかな⁉︎」

このままじゃ、修羅場ルートまっしぐらだよ!

ただでさえ魔王討伐の道中のでもキツいのに今度は子供属性持ちまで追加されてアップグレードされてるよ!

「冗談はここまでにしましょ。実際は‥‥‥」

よかった、まだリーネにはちゃんと一般的常識があって。

「ユウが私を無理矢理部屋に連れ込み、それはもう暴行の限りを尽くしまして‥‥‥」

両手でわざとらしく目と顔を覆うリーネを見て、サラは「もうっ、ユウさんってば私に言ってくれればいつでもお相手しましたのに♡」と言って腰をイヤンイヤンとくねらせている。

一方で、セリスとティフが杖無しで放てる最高攻撃力の魔法詠唱をはじめている。

僕がバカだった。

こんなの修羅場どころではない。

完全に処刑場だ!

修羅場よりもレアなケースだよ!

神様、短い異世界生活でしたけど、楽しかったです。

今度はハーレム要素無しの生活をお願いします。

結果として、僕がもう一度神様に会いに行くことは無かった。

「みんな冗談よ。私がコレに遅れを取る訳無いじゃない。本当はね‥‥‥」

かくかくしかじかとリーネは事情を説明した。

こういう冗談は本気でやめてほしい。

さっき走馬灯が見えたぞ全く。

「‥‥‥という訳なのよ」

「なるほど。確かにあの王子様ではそうなるでしょうね〜」

「でもリーネ姉ちゃん、いんちょーに色目使った」

「使ってました」

「つ、使ってないわよ!」

セリスとティフの指摘にリーネが思わず声を荒げた。

そうだよ。リーネが僕に使うのは色目ではなく剣型精霊による斬撃攻撃だから。

というか、これだけ声を荒げるリーネってかなりレアだなぁ。

僕がリーネとの婚約を蹴って、ゴルディエルと魔法による攻撃、身体強化無しのガチ殴り合いを止めた時以来だな。

「と、とにかく、ユウが私を嫁にするという体であの王子を誤魔化すわよ。協力してちょうだい」

「でも、誤魔化した後はどうするんですか?流石に一生騙すのは無理では?」

確かに。一生騙すとしたら本当にゴールインする事になる。

それでは結果は大して変わらない。

「それも心配無いわ。婚約を断った後、ユウが私に飽きて、私を捨て、私は心に傷を負い、二度と結婚しないという事にすれば良いわ」

「異議あり!」

冗談じゃない、このお姫様は一体どこまで僕を陥れれば気が済むんだ⁉︎

「何の問題があるのよ?」

まるで理解できないわという感じでリーネが頭に無いはずのはてなマークを浮かべた。

「そんな事したら、僕がクズなのを宣伝するようなもんじゃないか!」

リーネのネルーア王国での人気は計り知れない。

勇者を召喚し、滅びかけた国を復興させた魔王を倒したメンバーの一員である。

下手すれば僕より人気が上だ。

そんな人物を振ってみろ。嫌がらせどころか暗殺者仕向けられてもおかしくない。

死にはしないけど社会的に死ぬ!

絶対的にごめん被ると言わんばかりに否定するのに対し、サラは

「リーネさんの人生とユウさんの評判、どっちの方が大事なのですか?」

くっ、卑怯だぞ!僕がそれに弱いの知っている癖に!

「どうしてもと言うのなら、振らなければいいじゃない。こっちとしても国力が上がるから歓迎するわよ?」

そういう問題?

「‥‥‥分かったよ」

結果、僕は折れた。

「そう。じゃあ、明日からは恋人として接するようにね。ア・ナ・タ♬」

セリスとティフが絶対零度の目で僕を見ている。

この調子で、果たして僕は無事に孤児院に戻れるのだろうか?



という訳で現在に至る。

そろそろ離して欲しい。

セリスのホッペがはち切れんばかりに膨らんでいるし、ティフが力込めすぎてスプーンが曲がってる!

サラは助ける気サラサラ無いし‥‥‥氷魔法のせいですげー寒い。

一体これからどうなるんだろう‥‥‥。

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